米上院、ステーブルコイン保有報酬を禁止|決済利用は許可

米上院銀行委員会のティム・スコット委員長は12日、暗号資産(仮想通貨)市場構造法案の超党派修正案を公開した。
デジタルウォレット内のステーブルコインを保有するだけで報酬を得るプログラムを禁止する一方、取引に基づく報酬は容認する内容となっている。
15日のマークアップセッションを前に、銀行業界と仮想通貨業界の利害調整が焦点となる。
保有報酬禁止と活動報酬の線引き
今回の修正案は、数カ月にわたる民主・共和両党の交渉を経て策定された278ページの法案だ。
ステーブルコインをウォレットに置いておくだけで利息や利回りを得られるプログラムを明確に禁止する。
ただし、すべての報酬が対象ではない。
取引・送金・決済に伴う報酬や、ステーキング、流動性提供、担保差し入れといった「活動ベース」のインセンティブは引き続き許可される。
この規定の背景には、アンジェラ・アルソブルックス上院議員の問題提起がある。
同氏は「銀行のような保護がない状態で銀行類似の商品を提供することを防ぐ必要がある」と主張。
単純保有による受動的報酬と、実際の取引活動に基づく報酬を明確に区別する条項が盛り込まれた。
銀行業界と仮想通貨業界の攻防
ステーブルコイン報酬をめぐっては、銀行業界と仮想通貨業界が激しく対立している。
銀行側は、取引所が提供する報酬プログラムが預金流出を招き、地域銀行の融資機能を弱体化させると警告。
一方、ブロックチェーン業界は、報酬プログラムは決済やフィンテックで一般的なロイヤルティプログラムに類似するものだと反論している。
ブロックチェーン協会のサマー・マーシンガーCEOは、大手銀行が不当な要求でこの法案を潰せば、結局はGENIUS法の現状維持となる。
それは銀行自身が機能しないと主張してきた状況だと批判した。
15日のマークアップと今後の審議
修正案の公開は、15日に予定されている委員会でのマークアップセッション直前のタイミングとなった。
スコット委員長は「家族や中小企業には明確なルールが必要だ。この法案は数カ月の真剣な作業を反映している」と声明で述べた。
上院農業委員会も同様の法案を審議予定だったが、1月下旬に延期。
両委員会の法案を一本化した上で、下院を通過済みのデジタル資産市場明確化法(CLARITY法)との調整が必要となる。
法案可決には上院で60票が必要であり、民主党の賛同確保が今後の焦点となる。