ギャラクシーデジタル株価急騰、第3四半期利益5億ドル超

暗号資産(仮想通貨)関連企業のギャラクシーデジタルは21日、2025年第3四半期の純利益が前四半期の3,070万ドルから1,546%増加し、5億500万ドルに達した。この発表を受け、同社の株価は急騰した。
希薄化後1株当たり利益は1.01ドル、調整後EPSは1.12ドルだった。調整後EBITDAは6億2,900万ドルで、四半期比198%の増加を記録した。
また、同社の総資産は前期比27%増の115億2,300万ドルに拡大。自己資本は32億ドルに達し、現金およびステーブルコインの保有高は62%増の19億1,000万ドルとなった。
市場回復と機関投資家の参入が追い風
今回の好業績は、仮想通貨市場の力強い回復が背景にある。
デジタル資産価格の上昇により、同社のトレーディングデスクと運用ポジションが大きな利益を計上した。
また、機関投資家の参入拡大も業績を押し上げた。
企業や金融機関がデジタル資産へのエクスポージャーを広げたことで、現物およびデリバティブ商品の需要が増加。
取引高は前四半期比140%の急増を記録し、同社は四半期中に8万BTC超、約90億ドル/1兆3,680億円相当を売却した。
インフラ事業も好調、多角化戦略が奏功
Galaxy Digitalはトレーディング、資産管理、インフラプロジェクトといった多角的な事業モデルを展開。
AIおよび高性能コンピューティング分野でのインフラ需要の高まりが、同社の成長を後押ししている。
特にテキサス州で進行中のデータセンター「Helios」プロジェクトは順調に拡大中。
第1段階の建設費用17億ドルに対し、14億ドルの融資枠を確保している。
さらに、CoreWeave社が第2段階のリース契約を締結し、800メガワット全容量の利用を決定。
HeliosはAIおよびHPCインフラ市場における中核拠点となる見通しだ。
株価も好反応、強固な財務基盤
今回の決算発表を受け、市場は好意的に反応し、一部報道では株価が一時7%急騰したと伝えられている。
自己資本32億ドルと流動性19億1,000万ドルという潤沢な財務基盤は、今後の事業拡大と市場変動への対応力を高めるものだ。
この四半期の成功は、仮想通貨ネイティブ企業が成熟し、伝統的な金融市場やインフラ分野との統合が加速している現状を象徴している。