CryptoQuant、ビットコイン下落局面分析|底値5.6万ドル予測

ブロックチェーン分析企業のCryptoQuantは23日、ビットコイン(BTC)が弱気相場に入ったとの分析レポートを公表した。
同社は、需要サイクルの変化と売り圧力の強まりが、今回の価格調整を引き起こしていると指摘している。
分析によると、ビットコインは10月初旬に過去最高値を更新し、一時12万4000~12万6000ドルまで上昇した。
しかし、その後は急速に調整局面へと転じ、12月中旬には約8万4000ドルまで下落した。これは約3カ月間で32%の価格下落に相当する。
12月20日時点では8万8070ドルまで持ち直したものの、依然としてピーク時から約30%低い水準にとどまっている。
需要サイクルの変化と売り圧力
CryptoQuantは、今回の価格低迷の主因として、大口投資家による売却圧力を挙げている。
特にクジラと呼ばれる大量保有者の動きが、市場全体の価格形成に大きな影響を与えたという。
データによると、クジラによる売りは10月初旬から12月にかけて顕著に増加した。
価格が10万ドルを割り込んだ11月には、1日あたりの実現損失が最大6億ドルに達している。
これまで上昇を支えてきた需要要因も後退している。
同社は、米国の現物ETFの立ち上げ、政治的な追い風、企業による戦略的購入という三つの需要の波が一巡したと分析する。
実際、2025年第4四半期には米国の現物ETFが約2万4000ビットコインの保有減少を記録した。
これは機関投資家による売却を示唆しており、重要な価格下支え要因が失われたことを意味する。
今後の価格見通しと底値
テクニカル指標では、ビットコイン価格が365日移動平均線を下回った点が注目されている。
CryptoQuantは、この水準を強気相場と弱気相場の分岐点を示す歴史的なシグナルとして位置付けている。
デリバティブ市場でもセンチメントの悪化が確認されている。
無期限先物の資金調達率は2023年12月以来の低水準に低下しており、投資家のリスク選好度が後退している状況だ。
同社は、ビットコインの4年サイクルは半減期よりも、需要の拡大と縮小によって形成されると強調する。
現在は、需要の伸びが長期トレンドを下回っている段階にあるという。
短期的な価格見通しとしては、7万ドル付近が重要なサポートラインになると予想されている。
さらに長期的には、実現価格に近い5万6000ドル前後が底値となる可能性もある。
これは直近の最高値、約55%の調整に相当するが、CryptoQuantは過去の弱気相場と比較すれば下落幅は相対的に小さくなる可能性があるとも指摘している。
市場の回復には数カ月を要するとみられ、需要の再拡大やETFの買い戻し、価格の長期平均回復が重要な条件となる。
このような調整局面は、長期視点を持つ投資家にとってはビットコイン買い時となる可能性もある。
しかし、仮想通貨投資には常にリスクが伴うため、慎重な判断が求められる。