JPYC、保有者が6万件を突破|電子決済手段への移行で急増

JPYC株式会社が発行する日本円連動型ステーブルコインJPYCは27日、保有アドレス数が6万4089件に達した。
電子決済手段への移行で信頼性が向上
今回の利用者数は、前週と比較して2倍以上の増加を記録している。
この急成長の背景には、同社が8月に資金移動業者として金融庁に登録された事実がある。
法的な裏付けを持つ「電子決済手段」として、JPYCの地位が確立された。
以前のJPYCは「前払式支払手段」として扱われていたため、利用には一定の制限があった。
今回の法的区分の変更で最も重要な点は、1JPYCを1円として現金に払い戻せるようになったことだ。
この換金性の確保が、ユーザーの信頼を大きく高める要因となった。
JPYCは現在、イーサリアム(ETH)、ポリゴン(POL)、アバランチ(AVAX)の3つのブロックチェーン上で発行されている。
複数のネットワークに対応することで、ユーザーの利便性と相互運用性を確保した。
発行される資産は預金や国債によって裏付けられ、価値の安定が図られている。
同社は10月27日に電子決済手段としての正式発行を開始した。
銀行振込による自動発行システムなどが整備され、即時的な利用が可能となっている。
ビットコイン(BTC)などの一般的な仮想通貨とは異なり、価格変動リスクがない点が特徴だ。
法規制への準拠は、国内外の市場参加者からの注目を集めている。
アジア初の本格的な法定通貨ペグのステーブルコインとして、国際的な関心も高まった。
日本の金融インフラにおける新たな決済手段として、その存在感を強めている。
給与払いやDeFiなど用途が拡大
利用者の急増には、用途の多様化も大きく寄与している。
給与支払いや企業間決済、Web3サービスとの連携など、実需に基づいた利用が進んだ。
DAOの資金管理手段としても採用が広がっている。
DeFi分野での活用も期待される重要な要素だ。低金利の日本円を裏付けとするため、新たな資金調達源としての需要がある。
投資家は低コストで円建てステーブルコインを借り入れ、運用に回すことが可能になる。
外部サービスとの連携も進んでいる。クレジットカード決済への対応や、特定のアプリケーション内での決済統合などが発表された。
契約不要で導入できるオープンな金融インフラとしての側面も、普及を後押ししている。