JPYC、韓国ITCENGLOBALと提携|日韓ステーブルコイン決済へ

日本円ステーブルコイン、JPYC を発行するJPYC株式会社は22日、韓国の大手IT企業であるITCENGLOBALと、ステーブルコイン分野における共同研究を開始する。
日韓企業によるステーブルコイン共同研究
今回の取り組みは、日本と韓国の間でのステーブルコイン活用を視野に入れたものだ。
両社は、国境を越えた決済や金融インフラの相互運用性について、技術面・制度面の両面から検証を進めるとみられている。
ITCENGLOBALは韓国のITサービス市場で実績を持つ企業だ。
JPYCが培ってきたブロックチェーン技術と組み合わせることで、アジア地域におけるデジタル通貨の標準化に寄与する可能性がある。
日韓の企業が連携することで、両国の規制環境に対応したクロスボーダー決済のモデルケースとなることが期待される。
JPYC社は、社会のジレンマを突破する をミッションに掲げ、国内利用にとどまらず国際的な金融エコシステムの構築にも注力してきた。
今回の共同研究は、アジア市場でのプレゼンス拡大を図る戦略の一環と位置付けられる。
資金移動業型「JPYC」の基盤
JPYC社は10月27日、資金決済法に基づく資金移動業者として、日本円と1対1で交換可能なステーブルコイン、JPYCの正式発行を開始した。
従来の前払式支払手段とは異なり、新しいJPYCは原則として現金への償還が可能となっている。
ユーザーは専用プラットフォーム、JPYC EXを通じて、日本円での発行および償還を行うことができる。
本人確認にはマイナンバーカードを用いた公的個人認証が採用されており、コンプライアンスを重視した設計が特徴だ。
またJPYCは、イーサリアムやポリゴン、アバランチなど複数のパブリックブロックチェーンに対応している。
これにより、用途に応じたネットワーク選択が可能となり、透明性の高いデジタル資産としての利用が進んでいる。
アジア市場における今後の展望
日本では法改正以降、ステーブルコイン発行に向けた動きが活発化している。
JPYC社は、パブリックチェーン上での発行実績を持つ数少ない事業者として、先行的な立場を築いてきた。
一方、韓国も仮想通貨を含むデジタル資産市場が活発な国の一つだ。
今回の共同研究を通じて両国の技術やノウハウが融合すれば、より効率的で低コストな国際送金手段の確立につながる可能性がある。
今後、研究成果が具体的なサービスや実証実験へと発展するかが注目される。
アジア発のステーブルコイン活用事例として、業界内外からの関心が高まりそうだ。