ビットコイン、半減期完了から100日経過|業界の二極化進む

暗号資産ジャーナリスト
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暗号資産(仮想通貨)分析企業CryptoQuantの調査責任者フリオ・モレノ氏は30日、ビットコイン(BTC)の半減期後にマイニング業界で明確な二極化が進んでいると発表した。小規模マイナーがビットコインを売却する一方、大手上場マイニング企業は積極的な蓄積戦略を展開している。

半減期が引き起こした業界の地殻変動


ビットコイン半減期とは、約4年ごとに発生する重要イベントで、新規ブロックのマイニング報酬を半分に削減するものだ。

これはビットコインの発行量を抑制し、希少性を高める仕組みとして設計されている。2024年4月19日に行われた直近の半減期では、報酬が6.25BTCから3.125BTCへと激減。この劇的な報酬削減により、特に効率の悪い運営や高コスト体質のマイナーに深刻な影響が及んでいる。

Hashrate Indexのデータによると、半減期以降の2か月間、ビットコインの「ハッシュプライス」(計算能力あたりの収益)は過去最低水準を記録。マイニング業界の収益性が急激に悪化している。

明暗を分ける大手と小規模マイナーの戦略


小規模マイナーは、薄利経営や最新鋭の採掘機器の不足により、半減期後により厳しい財務圧力にさらされている。採掘収入の激減により、運営コストをカバーするためにビットコインの売却を余儀なくされている状況だ。

一方、Marathon Digital HoldingsやRiot Platformなどの大手上場マイニング企業は、逆にビットコインの保有量を増やす戦略を展開。これらの企業は、潤沢な資本力、高効率な採掘操作、大口契約や再生可能エネルギー源の活用による低電力コストなどの強みを活かし、長期的な投資戦略としてビットコインを積極的に蓄積している。

例えば、Marathon Digitalは今月初め、1億ドル(約1538億円)相当のビットコインを市場で購入することを発表。同社は長期保有(HODL)戦略を強化し、採掘したビットコインをすべて貸借対照表に保持する方針を明確にした。

激変する業界動向と個人投資家への影響


この業界の二極化傾向は、ビットコイン市場の需給バランスやマイニング業界の競争環境に大きな影響を与える可能性が高い。大手マイナーの蓄積戦略が継続すれば、市場供給の減少につながり、中長期的な価格上昇圧力になる可能性もある。

個人投資家にとっては、この業界動向を注視しつつ、自身の投資戦略を慎重に見直す好機と言える。仮想通貨長期保有(HODL)戦略を検討する投資家は、大手マイニング企業の動向をベンチマークとし、市場の構造的変化に備えることが賢明だろう。

今後のビットコイン市場は、マイニング業界の二極化やマクロ経済環境の変化など、複数の要因が絡み合って展開していくとみられる。

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