イーサリアム次期大型アップグレード「Hegota」決定、2026年実装へ

イーサリアム(ETH)のコア開発チームは18日、2026年に予定される次期大型アップグレードの名称を「Hegota(ヘゴタ)」に決定した。
同名称は、実行層のBogota(ボゴタ)とコンセンサス層のHeze(ヘゼ)を組み合わせた名称で、両レイヤーを統合的に強化する方針を示している。
開発者会議での合意により、2026年の実装を目標とすることが確認された。
スケーラビリティと分散化を強化
Hegotaは、今年度に予定されるGlamsterdamアップグレードを土台に、イーサリアムのスケーリングと機能拡張を進める次期大型アップグレードだ。主要な改善提案(EIP)は2026年2月までに確定する予定となっている。
Hegotaの主目的は、スケーラビリティ課題への対応にある。新技術であるVerkle Tree(バークルツリー)が導入され、あわせてステート期限切れメカニズムが統合される計画だ。
これによりノード運営者のストレージ要件が削減され、ステートレス性の実現に近づく。
取引量が毎秒数百万件規模に拡大しても、ネットワーク効率を維持できる構造となる。ストレージおよび計算負担の軽減により、ノード参加の障壁が下がり、分散性と経済的持続性が強化される。
この技術進化により、運用コストや拡張性に関する課題が整理され、機関投資家や企業による採用が進む環境が整う。トークン化や決済分野を含め、DeFi領域での活用も拡大する見通しだ。
Hegotaが担うイーサリアム成長戦略の中核
Hegotaは、イーサリアムが生み出すネットワーク効果の好循環を支える重要なアップグレードだ。技術基盤を強化することで、より多くのアプリケーションとユーザーを呼び込む狙いがある。
特に焦点となるのが、長年の課題である「ステートの肥大化」だ。データベースの継続的な増大は、ノード運営者にとって大きな負担となってきた。
Hegotaではステート期限切れメカニズムを導入し、不要となった過去データを破棄できる仕組みを整える。
一方で、暗号学的証明によってセキュリティは維持される。
この設計により、セキュリティモデルを保ったままハードウェア要件を大幅に引き下げることが可能となる。
GlamsterdamからHegotaへと続く流れは、段階的に成果を積み重ねるイーサリアムの計画的アップグレード戦略を示している。レイヤー1としての基盤を強化しつつ、取引処理の多くを担うレイヤー2の成長を支える役割も明確だ。
開発者コミュニティは、Hegotaを世界規模の決済層へ進化するための重要な節目と位置付けており、市場全体に与える影響はビットコイン(BTC)に次ぐ規模になるとしている。