ビットコインが10万7000ドル割れ、クジラは70億円分購入

ビットコイン(BTC)は3日、下落幅を広げ、市場データによると日中の安値で10万5,200ドル(約1,619万円)まで値を下げ、一時的に10万6,000ドル(約1,632万円)の節目を割り込んだ。
これは、2018年以来初のマイナスとなった10月の4%下落に続く動きであり、7年間続いた「Uptober」と呼ばれる10月の上昇記録は途絶えた。
市場データによると、本稿執筆時点でビットコインは約10万6,234ドル(約1,636万円)で取引されており、24時間で4.07%の下落を示している。
現在の価格水準は、直近高値の約12万5,000ドル(約1,925万円)から約14%低い水準にあり、第3四半期の上昇分の多くを失った。
市場データでは、この売り局面で12億ドル(約1,848億円)以上の暗号資産(仮想通貨)ポジションが清算され、レバレッジをかけたトレーダーは仮想通貨取引所で大きな損失を被ったことが明らかになった。
FRBの慎重姿勢と市場心理の悪化
ビットコイン価格下落の主な要因は、米連邦準備制度理事会(FRB)が最新の金利決定後に示した慎重な金融政策姿勢にある。
市場分析によると、FRBは利下げを実施し、12月までに量的引き締めを終了する計画を示唆したものの、パウエル議長が「12月の追加利下げは保証されていない」と強調したことが市場の楽観論を大きく後退させた。
この発言は金利見通しに劇的な変化をもたらした。CME FedWatchツールによれば、12月の利下げ確率は90%から63%に低下し、1月の利下げ確率はわずか19.5%まで落ち込んだ。
結果としてリスク回避的な環境が広がり、すべてのリスク資産で広範な売りが発生。機関投資家は先週、ビットコインとイーサリアムのETFから約8億ドル(約1,232億円)を引き出した。
「暗号資産の恐怖と強欲指数」は35と「恐怖」の領域にとどまっており、トレーダーの根強い警戒感を反映している。米中間の貿易摩擦や地政学的な不確実性といった世界経済の緊張も、資本を米ドルや金などの伝統的な安全資産へと向かわせている。