リップル(XRP)価格膠着状態続く|12月後半の相場見通しを予想

リップル(XRP)の価格は19日、24時間比で4.3%下落し、1.78ドル前後で推移している。
前日には安値1.83ドルから高値1.93ドルまでの比較的狭いレンジでの値動きにとどまった。
この動向は、数週間にわたり続く1.80〜2.00ドル水準を巡る攻防を反映しており、市場は依然として明確な方向感を欠いた膠着状態にある。
時価総額はおおむね1100億〜1130億ドルで推移し、24時間取引量も30億ドル台半ばと一定の活況を維持しているものの、トレンド転換を示唆する動きは確認されていない。
足元の価格変動の背景には、マクロ経済環境の不透明感に加え、XRPを取り巻くトークン固有のファンダメンタルズ要因が複雑に影響しているとみられる。
米CPIはインフレ鈍化示すも、XRPは2ドル回復ならず
主要なマクロ要因として市場の注目を集めたのは、米国の消費者物価指数(CPI)の発表だ。
米労働統計局によれば、11月のヘッドラインCPIは前年同月比2.7%上昇、食品とエネルギーを除くコアCPIは2.6%上昇と、いずれもインフレの沈静化を示す内容となった。
ただし、10月のデータ収集が米政府予算の失効により一時中断されていた影響で、月次比較の信頼性には疑問が残る。
ロイターは、この結果が利下げ期待を下支えする一方、統計上の歪みが投資家のリスク選好を抑制したと指摘する。
暗号資産(仮想通貨)市場では、流動性が高く価格変動の大きいXRPがこうしたマクロ要因に敏感に反応。
一時的に買い戻しが入ったものの勢いは続かず、心理的節目である2ドルの回復には至らなかった。
結果として、XRPはマクロ環境の不透明感に押される形で上値の重さを露呈した。
XRPファンダメンタルズの明暗
一方で、XRP固有のファンダメンタルズ要因も、足元の価格上昇を抑制している。
現物XRP ETFは上場以降、累計で約10億3000万ドルの純流入を記録し、直近でも1900万ドル規模の資金流入が確認された。
ただし、こうした仮想通貨ETF由来の需要は、価格を明確に押し上げる動きには結びついていない。
デリバティブ市場では、先物のオープンインタレストが35億2000万ドルから33億1000万ドルへと減少しており、短期的なレバレッジ取引の解消、すなわち投機的な熱の後退を示唆している点も重荷となる。
もっとも、リップル社の企業動向は中長期的な観点では追い風と受け止められている。
12月18日には、TJM Investmentsなどとの戦略的パートナーシップ拡大を発表し、機関投資家向けの取引執行・清算インフラを強化した。
こうした取り組みは、将来的な機関需要の裾野拡大につながる可能性がある。
一方、オンチェーン指標を見ると、長期保有者の増加が確認される一方で、ネットワーク活動の鈍化も観測されており、市場評価は二極化している。
総じて、機関投資家の関心が中長期的な下支えとなる一方、短期的には新規需要の不足がXRP価格の重石となっている。
【12月19日最新】リップル(XRP)価格の12月の見通し
ここからは、価格チャートの推移を踏まえつつ、リップルの今後の展望・2025年末にかけた相場展開を予想する。
週足分析:長期の上昇トレンドは維持、調整局面は次の上昇への助走

出典:TradingView XRP/USD 週足(2023年~現在まで)
XRPの週足チャートを見ると、2023年9月に20週移動平均線が100週線を上抜けるゴールデンクロスが出現して以降、長期的な上昇トレンドは大きく崩れていない。
この流れは、2025年7月に記録した史上最高値3.68ドルへとつながった自然な値動きといえる。
もっとも、高値圏では価格が100週線から30%以上も上振れし、買われ過ぎの状態が目立った。
その反動として、10月以降は利益確定売りが優勢となり、20週線を下回る調整局面に入っている。
ただし、現在およそ1.65ドルに位置する100週線は依然として割り込んでおらず、この水準を保っている点が重要だ。
このラインを守る限り、長期の基調は崩れておらず、足元の横ばいは次の上昇に向けたエネルギーを溜めている段階と捉えられる。
週足の終値で2.70ドルを明確に上抜けるまでは、本格的な勢い回復は期待しにくい。
一方で、1.60ドル前後への押しは、長期目線の投資家にとっては検討に値する水準ともいえる。
日足分析:方向感を欠く展開、レンジ抜けが次の流れを決める

出典:TradingView XRP/USD 日足(2025年5月~現在まで)
日足チャートでは、7月の高値3.68ドルから続く下落基調がなお尾を引いている。
10月初旬には20日移動平均線が100日線を下回るデッドクロスが出現し、利確売りやリスク回避の動きが重なって、価格は1.60ドル付近まで急落した。
この下落によって市場心理は冷え込み、足元の反発も力強さを欠いている。
現在は20日線が上値を抑える壁となっており、これをはっきりと超えない限り、戻り売りが出やすい状況が続く。
RSIは30近辺まで低下しており、売られ過ぎを示唆する水準にあるが、それでもすぐに反転するとは限らず、下値を試す動きには注意が必要だ。
まず焦点となるのは1.60ドルのサポートラインで、この水準を守れれば2ドル方向への反発余地が広がる。
一方、ここを割り込むと1ドル台前半まで下押しする可能性が高まり、2026年に向けた相場全体の見通しを左右する重要な局面を迎えることになる。
リップル(XRP)のエントリー&利確ポイント
XRPは現在1.80付近で推移し、短期的な調整局面が継続している。週足では100週移動平均線を維持する長期上昇トレンドが健在である一方、日足では下落圧力が残り、レンジ内停滞が目立つ。今後の焦点は1.60ドルサポートの防衛と2ドル抵抗の突破にある。
エントリーポイント:1.60-1.65ドル付近での反発確認
1.60ドル前後は100週線に近い重要なサポートゾーン。ここで下げ止まりを示し、RSIの売られ過ぎからの反転が確認できれば、長期視点での買いエントリーを検討できる。1.60ドルを明確に割り込む場合は様子見に徹する。
利確ポイント:2.00-2.70ドルを段階目標に
まず2.00ドルの心理的抵抗を突破できれば、短期回復の勢いが付き、第一利確を2.00-2.30ドル付近に置く。さらに週足終値で2.70ドルを上回る展開なら、中期的な上昇再開を示唆し、第二目標として意識する。
リスク管理:1.60ドル割れでの下落加速に注意
長期トレンドの鍵となる1.60ドルを終値ベースで失うと、1ドル台への深い調整リスクが高まる。損切りラインを1.60ドル直下に設定し、ポジションを厳しく管理したい。