現実資産(RWA)トークン化市場、時価総額140億ドルを超える

RWA(Real World Assets)トークン化市場はこのほど、時価総額が過去最高となる140億ドルに達した。RWAトークン化とは、国債、社債、不動産などの「現実資産」を、ブロックチェーン上でデジタル化する取り組みだ。
デジタル資産市場において、現実世界の資産をブロックチェーン上でトークン化する動きが加速している。
RWAトークン化がもたらす金融変革
RWAトークン化により、現実資産の24時間365日の取引が可能となり、資金管理の透明性が向上している。さらに、分散型金融(DeFi)との統合により、従来の金融市場では実現できなかった新しい投資機会が生まれている。

現在、RWA市場の主力となっているのは、プライベートクレジット(銀行を介さない企業向け融資)と国債だ。
現在、プライベートクレジット部門では、金融サービスを提供する「Figure」が市場の93%を占めており、同社が提供するビジネスローン投資商品は年率9.9%の平均加重利回りを実現している。
RWA市場への大手金融機関の参入
ブラックロックやフランクリン・テンプルトンといった伝統的な金融機関も、国債ファンドのトークン化を通じて市場に参入している。両社のファンド(BUIDLとFOBXX)は、国債のRWAトークン化市場の約35%を占めるまでに成長している。
ブラックロックは、Ethena Labsが開発した新しいステーブルコイン「USDtb」への参入も発表している。同コインは、BUIDLを担保として発行される仕組みだ。
コンサルティング会社のマッキンゼーの予測によれば、RWAトークン化市場は2030年までに約2兆ドル規模まで拡大する可能性があるとされている。ボストン・コンサルティング・グループはさらに大きな成長を予測しており、不動産などの非流動資産を含めると16兆ドルまで成長する可能性を示唆している。
急速な市場拡大と大手金融機関の参入は、RWAトークン化が金融市場の重要なイノベーションとして定着しつつあることを示している。