フランス、CBDC禁止法案を提出|ビットコインを国家備蓄へ

フランスのエリック・シオッティ議員は10月下旬、CBDCを禁止し、ビットコイン(BTC)やステーブルコインの利用を促進する法案を議会に提出した。
この動きは、フランスのデジタル通貨戦略における大きな方針転換を示すものである。
シオッティ氏は、中道右派政党の共和党に所属する有力議員だ。
同氏が提出した法案は、欧州中央銀行が進めるデジタルユーロ計画を阻止することを目的としている。
法案は国家管理のデジタル通貨に代わり、ユーロ建てステーブルコインの普及と、国内での広範な仮想通貨利用を奨励する内容だ。
ビットコインを国家備蓄へ、具体的計画を提示
法案の最も注目すべき点は、フランスが国家としてビットコインを取得する包括的な計画を含んでいることだ。
具体的には、7〜8年かけてBTCを42万枚を取得する目標を掲げている。これはBTCの総供給量の約2%に相当する。
この計画が実現すれば、フランスは欧州で初めてBTCを公式に国家備蓄に組み入れた国となる。
取得のための資金は、複数の供給源から確保する計画だ。
余剰の原子力や水力発電を利用した国家規模でのBTCマイニング事業や、押収した仮想通貨資産の売却益、さらに貯蓄口座を通じた日々の購入などが挙げられている。
米国の動向が影響か、CBDCへの懸念が背景に
今回の法案提出は、米国のデジタル通貨に関する法整備の動向を直接参考にしている。
特に、2025年7月17日に米国下院で可決された、連邦準備銀行によるCBDC発行を禁じる反CBDC監視国家法が明確な先例となった。
この背景には、CBDCがもたらす可能性のある国民監視や金融統制の強化に対する政策立案者たちの根強い懸念がある。
また、この提案は、EUが進める仮想通貨市場規制(MiCA)の枠組みの中で、フランスが独自の戦略的転換を図る動きともいえる。
法案の目的は、中央集権的なデジタル通貨よりも分散型金融技術革新を優先することにある。
これにより、フランスの技術的競争力を高め、国民や企業により大きな金融の自由を提供し、進化するデジタル経済におけるリーダーとしての地位を確立することを目指す。
この法案は、FSBがフランスの仮想通貨活動に関する規制監督の進捗を審査したタイミングと重なる。
フランスの動きは、CBDC開発に比較的前向きな欧州の一般的な傾向とは一線を画しており、世界の仮想通貨政策の進化を示す重要な事例となる可能性がある。