香港OSL、個人向けソラナ取引を開始|証券先物委員会が承認

香港で初認可の暗号資産(仮想通貨)取引所OSL HKは11日、証券先物委員会(SFC)の承認を受け、個人投資家向けにソラナ(SOL)の取引サービスを開始した。
これによりソラナは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、アバランチ(AVAX)、チェーンリンク(LINK)に続き、香港で個人投資家の取引が公式に認められた5番目の仮想通貨となった。
本土の中国が仮想通貨に厳しい規制を敷く一方、香港は特別行政区として先進的な規制の枠組みを持ち、デジタル資産分野での革新を主導する姿勢を示している。
香港で5番目の個人向け取引銘柄に
OSLは、専門家と個人の両投資家に対応するため、「フラッシュトレード」と「プロトレード」という2つの異なる取引インターフェースを提供する。フラッシュトレードでは、SOL/HKD、SOL/USD、SOL/USDT、SOL/USDTTRCの取引ペアが利用可能だ。
一方、プロトレードでは当初、SOL/USDのみをサポートする予定である。フラッシュトレードは協定世界時で8月11日18時(香港時間23時)に開始され、プロトレードはその1週間後の8月18日11時に開始される。ソラナネットワーク上でのSOLの入出金はすでに可能となっている。
このプラットフォームは、提示価格で即時約定するフラッシュトレードと、オーダーブック形式のプロトレードを区別することで、投資家の経験レベルや取引スタイルの違いに配慮している。香港の規制は、個人投資家向けにリスク開示の義務化や取引制限といった追加の保護措置を設けている。
規制と革新のバランス目指す香港
今回の承認は、デジタル資産に対する香港規制当局の信頼の高まりを反映しており、世界的な仮想通貨ハブを目指す同地域の戦略的な一歩と言える。OSLがSFCからライセンスを取得していることは、投資家保護と市場の透明性を高める上で重要な規制の枠組みを提供する。
ソラナが5番目の承認資産として選ばれた背景には、毎秒約65,000件の取引を処理できる高いスループットと低い取引コストといった技術的優位性があると考えられる。
この決定は、規制監督を維持しつつ革新を促進するという香港のバランスの取れたアプローチを示すものであり、他の法域における仮想通貨規制のモデルとなる可能性がある。
OSL HKは以前からソラナの機関投資家向け取引を手がけており、2025年6月には、人気ミームプラットフォーム「9GAG」のチームが運営する香港上場企業MemeStrategyが、約290万香港ドル(約5,500万円)相当のソラナ2,440トークンを取得する取引を仲介した。
この機関投資家向け取引の実績が、個人向けサービス承認への信頼につながったとみられる。今回のソラナの承認は、すでに取引が認められているビットコインなどに続くものであり、香港のデジタル資産市場の多様化をさらに進めるものとなるだろう。