Aster、CMCの誤表示を否定|トークノミクスは不変

デリバティブ取引所のAster DEXは15日、トークンのアンロックスケジュールに関する憶測を否定し、トークノミクスに変更はないと公式に発表した。
CMCのデータ更新が混乱を招く
この混乱は、暗号資産(仮想通貨)データサイトCoinMarketCap(CMC)上の循環供給量データ更新が発端となった。
AsterはXで「トークノミクスは不変」と強調した。
トークン生成イベント(TGE)以来、エコシステム向けの割り当ては当初の設計通り、毎月アンロックされるプログラムになっていたと説明している。
しかし、これらのアンロック済みトークンは「プロジェクト側に当面の用途がなかったため、ロックされたアドレスで手つかずのまま保管されていた」という。
今回の混乱は、CMCが循環供給量を更新し、12月15日に2億ASTERのアンロックが予定されているように見える表示を行ったことがきっかけだ。
さらに、2035年には38.6億と16億のトークンがアンロックされるかのようなデータも表示され、総供給量の約75%がロックされているとの誤解が広がった。
Asterは、これらのトークンは循環供給量に含まれていなかったものの、他のロック資金と同じウォレットに保管されていたため誤解を招いたと説明。
CMCの更新は「循環供給量を正確に反映し、コミュニティおよびエコシステム割り当ての毎月のアンロック懸念に対処するためだった」としている。
市場の冷静な反応と今後の対策
また、AB Kuai Dong氏が、データでは当初25年に予定されていた複数のアンロックがキャンセルし、26年夏以降に移された」と投稿したことで混乱が増幅した。
供給拡大につながるアンロックは市場で嫌気されやすい。
今回は、嫌気される事象にもかかわらず、アルトコインASTERの価格は24時間で1.08ドルから1.15ドルの範囲で安定し、報道時点では2%上昇している。
これは不確実性が生じたにもかかわらず、投資家がAsterのファンダメンタルズへの信頼を維持していることを示している。
Asterは今後の誤解防止策として、「アンロックされたトークンを別の公開アンロックアドレスへ移動する」と発表。
「当面このアドレスから資金を使用する予定はない」とも強調した。
同DeFiプラットフォームは総価値ロック(TVL)が22.6億ドルを超え、1日の取引高も10億ドルに迫る規模に成長している。
今回の騒動は、CMCのようなデータサイトが市場心理に与える影響の大きさと、プロジェクト側の透明性ある情報提供の重要性を改めて示した。