テザー社、金保有額がBTC超え|年内で過去最大規模に

ステーブルコイン(USDT)を発行するテザー社は22日、2025年第3四半期の保証報告書を公開し、金(ゴールド)の保有量が年初から急増していることを明らかにした。
金保有量がビットコインを上回る規模に
報告書によると、同社の金保有額は2024年末の53億ドルから、わずか9カ月で129億ドルへと倍増以上の成長を示した。
増加額は76億ドルに達し、準備金の構成が大きく変化しつつあることが浮き彫りとなった。
テザー社の総準備金は同期間に1830億ドルを突破。
急拡大した金と、以前から保有しているビットコイン(BTC)を合わせると、準備金全体の約13%を占める水準に達している。
テザー社は現在、少なくとも116トンの現物金を保有している。
2025年第3四半期だけで26トンを追加しており、一部の小規模な国家の中央銀行に匹敵する規模だ。
同社はこれまでも暗号資産(仮想通貨)のビットコインを準備金の一部として保有してきたが、今回の報告ではBTC保有額は99億ドルであることが確認された。
つまり、現在のテザー社のポートフォリオでは、金の割合がビットコインを上回っている。
従来は米国債を中心とした構成だったが、金という伝統的な安全資産を比重高く組み入れることでリスク分散を図っている。
同社はこれを「多様化された未来志向の準備金戦略」と位置付けている。
経済の不確実性と「国境なき中央銀行」のビジョン
今回の金保有量の急増は、世界的な経済不安の高まりを背景としたリスク管理の一環だ。
報告書でも、不確実なマクロ環境において資産の安定性を高めるための措置であると説明されている。
テザー社は過去、準備金の透明性に関する指摘を受けてきた。
しかし現在は第三者による定期的な報告書公開や、セルシウス訴訟の自己資金による解決などを通じて信頼回復に努めている。
これらの法的問題は準備金に影響しなかったと強調している。
同社が掲げる「国境なき中央銀行」のビジョンには、USDTの持続的な信頼性が不可欠だ。
価格変動の激しい市場において価値を維持しやすい金を大量に保有することは、ステーブルコインとしての安定性を対外的に示す強力な材料になるとみられる。