テレグラム、新AIネットワーク「Cocoon」発表

ブロックチェーン
Sui DeFi Researcher / Scallop Ambassador
監修
最終更新日: 

テレグラムのパーヴェル・デュロフ氏は29日、分散型AIコンピューティングネットワーク「Cocoon」をたり上げると明かした。

Cocoonは、正式名称を「Confidential Compute Open Network」としており、プライバシーを重視したAIのワークロード向けに設計された分散型コンピューティングインフラだ。

プライバシーを核にした分散型AI基盤

このネットワークは、The Open Network(TON)ブロックチェーン上で動作し、テレグラムのエコシステムと深く統合される。

デュロフ氏は講演で「デジタルの自由を守るために、中央集権的なAIではなく分散型インフラが必要だ」と述べた。

Cocoonを利用することで、開発者は高価なサーバーやクラウドプロバイダーに依存せず、分散型のGPUリソースにアクセスできる。

ネットワーク上で処理されるすべてのデータは計算中も暗号化され、参加者やプラットフォーム運営者でさえ内容にアクセスできない設計だ。

公開ベータ版のローンチは2025年11月を予定しており、GPUマイニングインフラを活用。参加者には報酬としてToncoin(TON)が支払われる。

中央集権化への対抗とTONエコシステム

Cocoonの発表は、AI開発やクラウドサービス分野で進行する中央集権化への懸念に対応するものだ。

現在、少数の巨大IT企業がAIリソースやデータプライバシー基準を支配しているが、これに対抗する分散型コンピューティング市場の創出を目指している。

このネットワークは、AI開発者とGPU提供者を結びつける「コンピューティング能力のAirbnb」として機能。

開発者はAI処理リクエストを送信し、GPU保有者は遊休リソースを提供して報酬を得られる。

ネットワーク内のすべての取引と報酬はToncoinで行われ、この仮想通貨に投機以外の実用的な価値を付与する。

テレグラムの9億人超の月間アクティブユーザーを基盤に、Cocoonは即時のスケールを得る可能性がある。

開発者エコシステムとAI経済圏の拡大

テレグラム上のミニアプリ開発者が過去1年間で10億ドル以上の収益を上げた実績は、Cocoon採用を後押しする強力な開発者基盤の存在を示す。

分散AI処理という新しい概念は、ブロックチェーンとAIの融合による新たな経済圏の形成を促すとみられる。

Cocoonは、分散化とプライバシー保護を両立させたAIインフラの先駆けとして、2026年以降のTONエコシステム拡大を牽引する存在となりそうだ。

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