東証上場のクアンタム、約520億円規模のビットコイン投資へ

東京証券取引所に上場するAI開発企業、クアンタムソリューションズは24日、国内有数のビットコイン BTC +0.77%保有企業としての地位確立を目指し、最大3,000 BTCを取得する計画を公表した。
この大規模な投資は今後12カ月にわたり実行され、現在の市場価格で約3億5,600万ドル(約520億円)に相当する見込みだ。
同社はすでに、香港を拠点とするインテグレーテッド・アセット・マネジメント(アジア)リミテッドを通じて、第一弾として1,000万ドル(約14億6,000万円)相当のビットコインを購入済みだ。
円安と世界経済の不確実性|ビットコインが企業の新たな防衛策に
クアンタムソリューションズがビットコイン取得に踏み切った背景には、日本の経済状況が深く関わっている。
特に、歴史的な円安の進行は、企業がインフレ耐性を持つ資産への関心を高める要因となっている。
ビットコインは「デジタル・ゴールド」とも称され、法定通貨の価値が下落する局面における有効なヘッジ手段として世界的に注目を集める。
また、日本の40年物国債利回りが過去最高の3.375%に達するなど、金融市場の不確実性が増大していることも、企業が資産の多様化を急ぐ理由の一つだ。
国内各産業でインフレ圧力が高まる中、機関投資家による暗号資産(仮想通貨)の採用が加速している。
広がる日本企業のビットコイン採用
クアンタムソリューションズの今回の発表は、日本企業におけるビットコイン採用の新たな潮流を象徴している。
既に国内では、16,352BTCを保有するメタプラネットや、1,051BTCを保有するリミックスポイントなど、複数の企業が同様の財務ヘッジ戦略を導入している。
さらに、ANAPホールディングスやマックハウスもそれぞれ1,000BTCの取得を目指しており、日本の金融引き締め政策が続く中で、企業が仮想通貨を準備資産として組み入れる動きは本格化の一途をたどる。
クアンタムソリューションズは、取得したビットコイン資産を香港の子会社であるGPTパルススタジオを通じて管理し、厳格な規制順守のもとで運用を行う方針だ。
一連の動向は、日本の経済的課題を背景に、ビットコインが機関投資家にとって正当な資産クラスとしての地位を確立しつつある現実を浮き彫りにしている。