コインベースとBiT Global、wBTC上場廃止訴訟で和解成立

DeFi
暗号資産ライター
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最終更新日: 

暗号資産(仮想通貨)取引所のCoinbase(コインベース)とBiT Globalは7日、ラップドビットコイン(wBTC)の上場廃止を巡る訴訟で和解に意した。

BiT Globalはコインベースに対する訴訟の取り下げに同意し、両当事者がそれぞれの法的費用を負担することとなった。

和解は「再提訴を禁じる形」で行われ、今後同じ事案で訴訟を起こすことはできない。金銭的な和解条件は公表されていない。

訴訟の背景と争点

この法廷闘争は、2024年12月にBiT Globalがカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所にコインベースを提訴したことから始まった。訴えの内容は、コインベースによるwBTCの上場廃止が不当であり、トークンの流動性と評判に損害を与えたというものだった。

コインベースは昨年8月にジャスティン・サン氏がパートナーシップを通じてwBTCに関与したことを受け、「トークン化されたBTCがジャスティン・サンの手に渡る受け入れがたいリスク」を理由に上場廃止を決定した。

サン氏は中国系の新しい仮想通貨億万長者として知られ、Tronの創設者でもある。BitGo社は2024年8月、wBTCの管理権をBiT Globalと共有するパートナーシップでサン氏と提携すると発表していた。

一方、BiT Globalは訴訟で、コインベースの決定が反競争的行為に当たると主張していた。特に、コインベースがwBTCの上場廃止を発表する2カ月前に独自の競合商品であるcbBTCを立ち上げていたことを問題視していた。

法廷での経緯と和解に至るまで

2024年12月18日、連邦裁判所はBiT Globalの一時的差し止め命令の申し立てを却下し、コインベースに有利な判断を下していた。裁判所は、BiT Globalが上場廃止による十分な損害を証明できていないとの見解を示した。

その後2025年1月21日、コインベースはサン氏との関連によるリスクを改めて強調し、訴訟の完全な棄却を求める申し立てを行った。

今回の和解により、長期化が予想された法的争いに終止符が打たれた。コインベースの最高法務責任者であるポール・グリューワル氏は、この和解について「顧客を危険にさらす資産の上場を継続するよう強要されることはない」との立場を改めて強調している。

市場への影響と今後の展開

この訴訟は、おすすめ仮想通貨市場における取引所とトークン発行者の間に存在する緊張関係を浮き彫りにした。興味深いことに、サン氏はwBTCへの支持を公に表明しており、World Liberty FinancialがcbBTCをwBTCに置き換える動きも見られている。

現在、wBTCの時価総額は約136億ドル、コインベースのcbBTCは約47億ドルとなっており、両トークンともほぼ過去最高の時価総額に近い水準にある。この和解により、wBTC保有者や分散型金融(DeFi)プロトコルにとっての不確実性が取り除かれた形となる。

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