ビットコインが一時9万ドル割れ、4月以来の安値を記録

ビットコイン BTC +0.09%は18日、4月以来初めて9万ドルを割り込んだ。
ビットコイン価格は18日早朝に一時8万9500ドルまで下落し、その後9万3600ドル付近まで回復した。
今回の下落は、10月6日に記録した過去最高値12万6000ドルから約31%の調整となる。
市場全体への影響も大きく、今月だけで仮想通貨市場から約1兆ドルが失われたとの指摘もある。
CNBC Crypto Worldによれば、8万9259ドルという安値は4月22日以来の水準となった。
強気相場における健全な調整か
今回の急落をめぐっては専門家の見解が分かれている。
フィデリティ・デジタル・アセットの幹部 クリス・カイパー氏は、現在の相場について「強気相場における通常20〜30%のドローダウン」の範囲内と指摘する。
同氏はオンチェーンデータを根拠に、「今回の動きは強気相場の終わりではなく、過去にも見られた調整パターンと一致している」と説明。
短期保有者の収益性が損失領域に落ち込んでいることは、相場が再び上昇に向かう前の“リセット局面”に当たるとした。
市場心理とファンダメンタルズの乖離
下落要因としては、投資家のリスク回避姿勢が強まっている点が挙げられる。
株式市場ではAI関連のハイテク株が売られており、仮想通貨市場はその動きに連動してリスクオフが進んだ。
「恐怖・強欲指数(Fear & Greed Index)」は「11」まで低下し、極端な恐怖を示す水準に達した。
これは通常、局所的な底値圏に見られるシグナルとされる。
一方で、基礎的条件は依然として堅調だ。
Avalabsのジョン・ウー社長は、ステーブルコインの利用拡大や、関連企業の収益が前年比50〜80%増加している点を挙げている。
また、ブロックチェーン技術の実利用はむしろ進展しているとも強調した。
こうした環境から、ビットコイン以外のアルトコインにも有望なプロジェクトが多く、市場全体の成長余地は残されている。
アナリストの間では、現在の水準が長期的な底となるか、さらなる調整の前触れに過ぎないのか議論が続く。
MVRV(市場価値対実現価値)比率は、過去サイクル中盤に見られた調整局面と類似しており、今後のビットコインの価格推移が注目される。