バイナンス、EU認可のステーブルコイン「EURI」の上場へ

暗号資産（仮想通貨）取引所大手のバイナンスは26日、EU規制に準拠した新たなステーブルコインEURI（ユーリー）の上場を発表した。

EURIは、ルクセンブルクの決済銀行バンキングサークルが発行したばかりの銀行発行型ステーブルコインだ。

EURIとは？EU規制準拠の新ステーブルコイン

EURIは、EUの仮想通貨規制「暗号資産市場規制（MiCA）」に準拠した初めての銀行発行ステーブルコインとされる。1EURIは1ユーロに価値が固定されており、保有者はいつでも等価で償還を請求できる。

このステーブルコインの特徴は、その安定性と規制準拠性にある。EUの厳格な規制に適合することで、従来の仮想通貨に比べてより高い信頼性を備えていると言える。

バンキングサークルのWeb3部門責任者であるダニエル・リー氏は、次のようにEURIの意義を語っている。

EURIの発行は、将来的に他のステーブルコインやトークン化された通貨を展開するための強固な基盤となります。これにより、市場により多くの選択肢と可能性を提供できるでしょう。

バイナンスでの取り扱い開始、手数料無料キャンペーンも

バイナンスは8月28日から、EUR/EURIとEURI/USDTの2つの取引ペアの提供を開始する。ユーザーは既にEURIの入金を開始でき、出金は29日から可能となる。

注目すべきは、バイナンスがEURI取引ペアに対して「ゼロ手数料キャンペーン」を実施することだ。このキャンペーンは28日から開始され、終了時期は未定となっている。

ただし、現時点でEURIの取引ペアはEU地域のみで提供される。カナダ、アメリカ、キューバ、日本、イランなどの国々からのアクセスは制限されている。

EURIがもたらす仮想通貨市場への影響

EURIの登場は、仮想通貨市場に大きな影響を与える可能性がある。EU規制に準拠し、銀行が発行するステーブルコインという新しい形態は、機関投資家や規制当局からの信頼を得やすい。

これにより、仮想通貨市場全体の信頼性向上につながる可能性がある。また、EUを中心とした地域での仮想通貨取引所の利用拡大や、他の地域での類似のステーブルコイン開発の促進も期待できる。

一方で、このような規制準拠型のステーブルコインが増えることで、従来の仮想通貨との差別化が進み、市場が二極化する可能性もある。今後の展開に注目が集まる。