バイナンス創業者CZ氏、ASTERトークン購入|3億円規模

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)創業者は2日、個人資金でASTERトークンを購入したと自身のSNSで公表した。
CZ氏の購入表明
ジャオ氏は「完全な情報開示。本日、自身の資金を使いバイナンスでASTERをいくつか購入した。私はトレーダーではなく、購入して保有するだけだ」と述べ、長期保有目的であることを強調した。
この取引では、1トークンあたり約0.913ドルで2,090,598.14 ASTERを取得し、総額は約200万ドルにのぼる。
ASTERは分散型デリバティブ取引所であり、ジャオ氏のファミリーオフィスが運営するYZi Labsの支援を受けている。
公表直前の取引価格は約0.91ドルだったが、投稿を受けて価格は急騰。複数の取引所で27%から35%上昇し、1.20ドルを超える高値を記録した。
この発表は、ドナルド・トランプ米大統領による恩赦を受け、ジャオ氏が法的な手続きを経て仮想通貨市場へ本格的に復帰した後の動きとして注目される。
強気と弱気が交錯する市場
ジャオ氏の公表は市場に大きな影響を与えた。同氏が長期保有の姿勢を示したことが、ASTERへの強い期待感につながっている。
発表と時を同じくして、ASTERの開発チームはトークンの総供給量を減らし、長期的な価格安定を目指す新たな買い戻し・エアドロップモデルを導入した。
この動きを受け、ASTERのデリバティブ取引高は数時間で186%増の30億4,000万ドルに達した。
未決済建玉も70%増の7億8,186万ドルとなり、レバレッジを効かせた取引が大幅に増加したことが分かる。
一方で、市場の反応は一様ではない。バイナンスのトレーダーは強気姿勢を維持する中、2人の大口投資家(クジラ)が合計7,100万ドル相当の空売りポジションを構築した。
具体的には、あるクジラが4,917万ドル、もう一方が1,845万ドルのショートポジションを建てた。これはジャオ氏の強気な見方とは対照的な動きである。
しかし、過去にジャオ氏が支持したプロジェクトが価格を大きく上げた実績があるため、市場全体としてはポジティブな反応が先行している。
影響力のある人物が特定のプロジェクトに個人的な資金を投じる姿勢は、単なる口頭での支持よりも、市場に大きな影響を与えることを改めて示した。