大手Curve、レイヤー2展開を停止か|DAOメンバーが提案

DeFi イーサリアム(ETH)
暗号資産ジャーナリスト
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最終更新日: 

大手分散型取引所(DEX)Curveのガバナンス組織CurveDAOのメンバーは2日、経済的な実用性の欠如を理由に、イーサリアムのレイヤー2(L2)への今後の展開をすべて停止する提案を提出した。

この提案は、同組織のメンバーであるphil_00Llama氏によって提出された。同氏は、既存の24のL2展開が生み出す収益が限定的であり、リソースを圧迫していると指摘している。

Curveは当初、イーサリアムの「ロールアップ中心のロードマップ」に沿ってL2を通じたスケーリングを重視してきた。

しかし、開発者が断片化した展開よりもコアネットワークの効率化を優先する中で、この戦略は現在、厳しい視線にさらされている。

L2展開による経済的効果

提案の主な根拠には、L2展開の経済的な非効率性がある。

提案によると、L2展開全体での1日あたりの収益はわずか約1,500ドルで、これはL2あたり平均62ドルに過ぎない。

この収益額は、イーサリアム(ETH)メインネットの収益の450分の1であり、極めて低い水準にとどまっている。

そのため、メインネットの開発やCurveのステーブルコインであるscrvUSDといった、より価値の高い分野からリソースが逸れている状況だ。

24ものL2チェーンを維持するには、メインネットと比較して不釣り合いなほど多くの開発者の注意が必要とされている。

また、L2への展開は流動性とユーザーを複数のチェーンに分散させ、ネットワーク効果を希薄化させるリスクもはらんでいる。

この動きは、イーサリアムエコシステム全体の戦略転換も反映している。L2の拡大を推進するよりも、イーサリアムのベースレイヤー自体の最適化に再び焦点が当たり始めているのだ。

大手プロトコルのAaveも最近、ビットコイン(BTC)のL2であるBOBへの展開を再検討している。

今後の動き

この提案が承認された場合、既存のL2展開は維持されるものの、将来のすべてのL2開発は停止されることになる。

これにより、開発リソースはメインネットのスケーラビリティ向上と、ステーブルコインscrvUSDの採用拡大に集中される見込みだ。

これは、Curveが主要なDeFi市場での地位を固めるための戦略的な動きと見られる。

この提案は、プロトコルの効率性とエコシステムの多様性をめぐる広範な議論を反映している。

L2は実験的な試みを可能にする一方で、コストがかかるとの批判もある。

今回の提案は、分散的なスケーリングよりも集中的な効率性を優先する、戦略的な転換点を示していると言えるだろう。

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