米政府、640万ドル相当の押収BTC売却を否定|戦略的準備金へ

ホワイトハウスのパトリック・ウィットデジタル担当顧問は16日、サムライウォレット事件で押収したビットコイン(BTC)約640万ドル相当が売却されていないと説明した。
司法省から直接確認を得たとし、大統領令14233号に基づき戦略的ビットコイン準備金(SBR)として保持する方針を改めて示した。
売却報道を全面否定
問題の発端は2025年11月、政府管理下のウォレットから海外の暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース・プライムへ57.5BTCが移動したことにある。
一部報道では、連邦保安官局がサムライウォレット開発者らから没収した資産を清算したとの観測が広がっていた。
ウィット氏は、Xで司法省からの回答を引用。
「サムライウォレットから没収されたデジタル資産は清算されておらず、今後も清算されない」と明言し、「米国政府のバランスシート上にSBRの一部として残る」と述べた。
大統領令が売却を禁止
今回の対応の根拠は、トランプ大統領が2025年3月に署名した大統領令14233号にある。
同命令は、刑事・民事没収で取得したビットコインの売却を禁じ、SBRとして保有することを義務付けている。
米国政府は現在、様々な没収事件を通じて約32万8000BTCを保有。
現在の市場価格で約313億ドル超に相当する。
2025年10月にはカンボジア拠点の詐欺事件関連で12万7000BTC以上が没収され、準備金に組み入れられた。
投資家の間では仮想通貨長期保有の有効性が議論されているが、国家レベルでも同様の戦略が取られつつある。
省庁間調整が課題
ウィット氏はSBRの確立が政権の優先事項である一方、省庁間の調整が進展を妨げていると認めた。
司法省、財務省、商務省など複数機関が実施手順を協議中だ。
政権は「予算中立」での蓄積を維持する方針で、市場からの直接購入ではなく没収による資産追加に限定している。
シンシア・ルミス上院議員が提案する5年間で100万BTCまで蓄積を加速させるBITCOIN法案が、こうした課題の解決策になる可能性もある。
なお、サムライウォレットのケオン・ロドリゲス創業者は禁錮5年、ウィリアム・ロナーガン・ヒル氏は同4年の判決を受け、今月から服役を開始している。