テザー社、タイ・米当局と協力し18.6億円相当のUSDTを押収

ステーブルコイン発行大手のテザー社は13日、タイ王国警察および米シークレットサービスとの共同作戦を支援し、約1200万USDTを押収したと発表した。
この資金は、東南アジアで活動する大規模な国際詐欺ネットワークに関連するものだという。
押収された1200万USDTは、タイの通貨で約4億バーツ、日本円で約18億6000万円に相当する。
法執行機関との連携強化
テザー社によると、同社のコンプライアンスチームは法執行機関からの正式な要請を受け、不正行為に関連する暗号資産(仮想通貨)アドレスを凍結した。
同社は、ブロックチェーン分析と迅速な凍結能力を通じて世界の当局を支援する「デジタル資産業界最大の企業」であると強調している。
今回の作戦が成功した背景には、テザーが持つ技術と国際的な法執行ネットワークとの関係強化がある。
まず、同社が提供する凍結機能が、不正取引に対する直接的な介入を可能にした。
法的な要請に応じてコンプライアンスチームが対象アドレスを即時凍結できる点が、押収の中心的な要因となった。
また、東南アジアで国境を越えた詐欺活動が深刻化していることも背景にある。
投資詐欺が増加する中、米シークレットサービスとタイ王国警察は、テザーのブロックチェーン追跡能力を活用してネットワークの摘発に至った。
このような国際協力は、増加する仮想通貨詐欺に対する重要な取り組みとなっている。
さらに、テザーはこれまで複数の法執行機関と協力した実績を持つ。
同社はプレスリリースで、昨年6月に米司法省が実施した約2億2500万ドルのUSDT押収に協力したことが感謝とともに記されたと説明している。
こうした信頼関係が、今回の迅速な対応につながったとみられる。
中央集権型設計が押収を可能に
テザー社は今回の作戦が米国とタイ当局による「国際作戦」であったことを強調した。
これは、国境を越えた仮想通貨犯罪に対する法執行枠組みが進化していることを示している。
同社は、押収された1200万USDTは広範な捜査の一部にすぎないと説明した。
これは、仮想通貨以外の資産についても法執行機関が調査を継続していることを示唆している。
また、USDTの中央集権的な設計が、法執行機関の要請に迅速に対応し、凍結を実行できる仕組みを提供した点も注目される。
USDTはその価値を法定通貨に連動させるステーブルコインであり、発行企業がネットワークに直接介入できる特徴を持つ。
テザーは、過去1年間で複数の国で不正資金の押収を支援してきたと述べ、世界的なコンプライアンス対応をアピールした。
また、「デジタル資産エコシステムの完全性を保護するために不可欠な取り組み」とも位置付けた。
仮想通貨関連犯罪に対する国際的な監視が高まる中で、規制当局の重要なパートナーとしての立場を強調している。