ヴィタリック氏が財団の「緊縮」宣言、1.6万ETH支援へ

イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者は1月30日、イーサリアム財団が「緩やかな緊縮財政」の期間に入ったと宣言し、開発支援のために自身の保有資産を移動させた。
財団の戦略転換と個人的な支援
ブテリン氏はまた、1万6384ETHを引き出したことを明らかにした。これは現在の市場価格で約4450万ドルに相当する規模だ。
同氏は今回の動きについて、財団のリソースを節約するための「私自身の緊縮財政の分担」だと説明している。
イーサリアム財団は現在、約5億5450万ドルという潤沢な資金を保有している。
今回の決定は資金難によるものではなく、リソース配分を慎重に見直すための戦略的な調整だという。財団は今後、特定の目標を優先し、より保守的な支出管理を行う方針を示している。
ブテリン氏が引き出した資金は、数年間にわたり分配される予定だ。主な支援先として、金融や通信、ガバナンスに関連するオープンソースソフトウェアの開発が挙げられている。
また、プライバシー保護技術やセキュアなハードウェアの研究も対象となる。
市場環境と技術的な優先順位
今回の発表は、暗号資産(仮想通貨)市場全体の低迷期と重なっている。
イーサリアムの価格は2025年10月の高値から下落し、現在は約2720ドル付近で推移している。
財団内部では、市場の低迷期における長期的な計画の重要性が議論されてきた。
ブテリン氏は以前から、イーサリアムの「プロトコルの肥大化」に対して警鐘を鳴らしていた。新機能を際限なく追加することは、システムの信頼性と自律性を損なうリスクがあると同氏は指摘する。
そのため、2026年は基本原則に立ち返る年になると位置づけている。
財団は今後、商業的なトレンドを追うプロジェクトよりも、コアプロトコルの開発や研究を優先する。
具体的には、ゼロ知識証明ツールを用いたノード運用の簡素化や、プライバシー機能の強化に注力する構えだ。利便性よりも、金融的自律性を求めるユーザーのためのインフラ構築を目指す。