JPYC社、開発者向けツール「JPYC Faucet」を提供開始

日本円連動ステーブルコインJPYCを発行するJPYC株式会社は19日、開発者向けツール「JPYC Faucet」の提供を開始した。
ツール内容とJPYC対応チェーン
今回公開されたJPYC Faucetは、開発者がテストネットワーク上で無料のテスト用JPYCを即座に取得できるツールだ。
エンジニアは実際の資金を使用することなく、アプリケーションの開発や動作検証を行えるため、開発効率の向上が期待される。
JPYC社は、日本円連動ステーブルコインのエコシステム拡大を戦略の柱に据えており、開発者が容易に実験できる環境整備はその一環と位置付けている。
JPYCは2025年10月、資金移動業に基づくステーブルコインとして正式にローンチされた。
現在はイーサリアム(ETH)、アバランチ(AVAX)、ポリゴン(MATIC)の3つのブロックチェーンに対応。
今回のツール提供により、各ネットワーク上でのDApps開発や既存サービスとの連携が一層進むとみられる。
規制準拠と市場の拡大
JPYC社は2019年の設立以来、国内法規制に準拠した事業展開を進めてきた。
当初は前払式支払手段として発行されていたが、資金決済法の改正を受け、資金移動業者としての登録を完了している。
これにより、日本円と1対1で連動し、預貯金や国債を裏付け資産とする信頼性の高いステーブルコインの発行が可能となった。
JPYC社は、日本で初めて資金移動業を通じて円建てステーブルコインを発行する事業者となっている。
暗号資産(仮想通貨)市場では現在、投機的な取引から決済や送金といった実需へのシフトが進行中だ。
市場データによると、過去1年間のステーブルコイン決済額は約46兆ドルに達し、世界全体の決済に占める割合も拡大している。
今後の展望と目標
JPYC社は「社会のジレンマを突破する」をミッションに掲げ、現金、キャッシュレス決済、デジタル資産を横断する金融インフラの構築を目指している。
具体的には、3年以内に発行残高を約10兆円規模まで拡大する目標を設定している。
2025年は日本における「ステーブルコイン元年」とも位置付けられており、法整備の進展がスタートアップや開発者の参入を後押ししている。
JPYC社は、USDCを発行するサークル(Circle)などの海外事業者とも連携しつつ、国内発のステーブルコイン基盤を強化する方針だ。
今回のJPYC Faucet提供により、日常的なサービスとJPYCを結びつける開発環境が整い、日本円ステーブルコインの普及が一段と加速すると期待されている。