ビットコインは出遅れ、貴金属に資金集中|JPモルガン市場分析

米金融大手JPモルガンはこのほど、暗号資産(仮想通貨)および貴金属市場に関する最新の分析レポートを公表し、ビットコイン(BTC)と貴金属の価格動向が対照的な動きを見せていると指摘した。
ビットコインは売られすぎ領域に
JPモルガンのアナリストによる分析では、モメンタム指標に基づき、ビットコイン先物が「売られすぎ」の領域に入ったと指摘している。
一方で、金および銀の先物市場は「買われすぎ」の状態にあると分析された。
この乖離は、2025年第4四半期から加速した資本の再配分パターンを反映しているという。
同社の調査によると、2025年第4四半期から2026年初頭にかけて、ヘッジファンドを中心とする機関投資家が銀先物のロングポジションを大幅に増加させた。
金先物についても過去1年間を通じて同様の蓄積傾向が見られた一方で、ビットコイン先物のポジションは同期間にこれらに匹敵する成長を見せていない。
この市場動向の変化には、法定通貨や国債から実物資産へと資金を移す、通貨価値の低下トレードの勢いが減退したことが影響している。
この傾向は、ビットコインETFへの資金流入が減少した2024年8月頃から弱まり始めた。
対照的に、2025年末までに金ETFへの累積純流入額は約600億ドルに達し、JPモルガンはこれを「歴史的な高水準」と表現している。
個人投資家はビットコインから貴金属へ
市場の乖離を後押しする要因として、JPモルガンは個人投資家の動向にも言及している。
アナリストは「個人投資家は8月以降、資金をビットコインから金や銀へとシフトさせている」と指摘した。
ビットコインが株式市場との連動性が高いリスク資産として取引される傾向が強まる一方、金は不確実な経済情勢下でのポートフォリオヘッジとしての伝統的な役割を再確認している。
流動性の構造的な違いも市場の動きを増幅させている。
金は最も深い市場参加と流動性を持つが、銀は流動性が低く、少額の注文フローでも価格が変動しやすい特性がある。
モメンタム指標が示す「買われすぎ」の状態は、短期的には貴金属市場での利益確定売りを誘発しやすい環境を作っている。
短期的には過熱感が警戒されるものの、JPモルガンは金の長期的な見通しについて強気の姿勢を崩していない。
民間投資家や中央銀行による保有量の増加を背景に、金価格は1オンスあたり8000ドルから8500ドルに達する可能性があると予測している。
ビットコインの「売られすぎ」状態は平均回帰の可能性を示唆しているものの、現状では機関投資家の貴金属選好が市場の不均衡を生み出しているようだ。
今後の仮想通貨市場の動向が注目される。