パクソス、米全国信託銀行ライセンスを再申請|事業拡大目指す

ステーブルコイン発行企業のパクソス・トラスト・カンパニーは11日、米通貨監督庁(OCC)に対し、ニューヨーク州の信託ライセンスを国の信託銀行ライセンスへ転換するための新たな申請を提出した。
これは同社にとって連邦レベルでの監督を確保するための再挑戦となる。
2021年に得た条件付き承認は、18ヶ月の規制審査期間内に要件を満たせず、2023年3月31日に失効していた経緯がある。
今回の申請は、650億ドル規模に拡大するステーブルコイン市場において、より強固な規制基盤の構築を目指す戦略的な取り組みとなっている。
連邦ライセンス取得を目指す背景と市場環境
今回の申請の背景には複数の要因が存在している。
パクソスは最近、バイナンスとの関係におけるコンプライアンス違反を理由に、ニューヨーク州金融サービス局と4850万ドルで和解しており、州レベルの規制圧力が浮き彫りになった。
また、競合であるステーブルコイン発行企業のサークルやリップル社も、同様の国の信託銀行ライセンスを申請済みとなっている。
この動きは業界全体のトレンドといえる状況だ。
トランプ大統領によって署名されたGENIUS法が、ステーブルコインに関する連邦レベルの規制の枠組みを定めたことも追い風となっている。
ステーブルコイン市場は650億ドルを超える規模に拡大しており、連邦レベルでの規制の確実性が不可欠となっている。
グローバルな規制遵守と今後の戦略的展望
パクソスのチャールズ・カスカリラCEO兼共同創業者は、「OCCの監督は、安全性と透明性の最高水準を維持するという我々の歴史的なコミットメントを強化するのに役立つ」と述べた。
連邦政府による監督は、ヨーロッパのFIN-FSA、シンガポールのMAS、アブダビのFSRAといった既存の国際的なライセンスを補完し、包括的なグローバルコンプライアンス体制を構築することになる。
この国の信託ライセンスは、米国全土で統一された規制を提供するため、仮想通貨投資にとっての魅力を大幅に高める。
今回の申請は、進化するデジタル資産インフラの規制環境において、パクソスが主導的な地位を確立するための戦略的な一手と見なされる。
この動きは、伝統的な銀行の枠組み内で地位を確立しようとする新しい仮想通貨の企業にとって、先例となる可能性が高い。