パンケーキスワップ、月間取引量が2021年以来の水準まで回復

分散型金融（DeFi）大手のパンケーキスワップ（CAKE）はこのほど、月間取引量が1月に788億ドル、2月に819億ドルを超え、2021年バブル期の水準まで回復していることが分かった。また、累積取引量は1.5兆ドル（約221兆円）を突破している。

同プロトコルは現在、複数のブロックチェーンネットワーク上で運営されており、特にBNBチェーン上ではDeFi市場シェアの90%以上を占める主要プラットフォームとなっている。

パンケーキスワップ回復の背景

今回の取引量増加の主な要因として、BNBチェーンエコシステムの復活が挙げられる。

特にFour.Memeなどのプラットフォームを通じたミームコインの発行および取引増加したことで、BNBチェーンはソラナ（SOL）などの他のチェーンを上回る日次取引手数料を記録している。

このような動きは、BNBチェーン上で大きな優位性を持つパンケーキスワップの取引増加に影響をもたらしたと考えられる。

成長下での課題も

しかし取引量の大幅な増加にもかかわらず、パンケーキスワップの月間アクティブユーザー数は約200万人で横ばいとなっている。

この状況は、取引成功にもかかわらず新規トレーダーの獲得に課題があることを示している。

また、パンケーキスワップは取引量の多くを投機的取引に依存しているため、現在進行中のミームコイン市場の下落は将来的な課題となる可能性がある。

実際、ミームコイン取引で活況したソラナは、ミームコインの衰退と共に大きく取引量が減少し、関連プロトコルの取引量の減少ももたらしている。

さらに、同取引所のネイティブトークンであるCAKE も市場の変動の影響を受けており、最近の数か月でピーク時から価格が大幅に下落している。

DEX市場における競争力

パンケーキスワップの今回の成果は、DeFi市場における同プラットフォームの強固なポジションを示すものとなった。特に複数のブロックチェーンにまたがる運用戦略が、市場の変動に対する適応力を高めている。

今後は新規ユーザーの獲得と、投機的取引以外の持続可能な収益源の開発が、パンケーキスワップの長期的な成長にとって重要な課題となるだろう。

また、規制環境の変化や競合するDEXの台頭にも対応していく必要がある。