イーサリアム今後に影響?米FGFがETH準備資産化へ50億ドル調達

ナスダック上場のFundamental Global Inc.(FGF)は7日、最大50億ドル(約7350億円)の証券発行に関するS-3登録届出書を提出した。
今回の発行は、主にイーサリアム ETH +1.13%の取得を目的としており、同社がイーサリアム(ETH)を主要準備資産として組み入れる戦略転換を一層加速させる意図がある。
イーサリアムを今後主要準備資産とする新戦略
FGFは近く社名をFG Nexus Inc.に変更し、ブロックチェーン技術への傾倒を明確にする計画だ。今回の証券発行による純収入の大半は、イーサリアムの直接購入に充てられ、残りの収入は運転資金や一般事業目的に使用される。
この計画に先立ち、同社は5日に2億ドル(約294億円)の私募を完了し、イーサリアムを財務資産とする戦略の初期資金を確保した。これにより、同社の暗号資産(仮想通貨)重視の戦略に対する機関投資家の信頼が示された。
資金調達はThinkEquityとのアット・ザ・マーケット(ATM)方式を含む。当初は最大40億ドル(約5880億円)の普通株式を段階的に発行し、市況に合わせて発行規模や条件を柔軟に調整する。
規制の壁と市場リスクへの挑戦
FGFの戦略には課題も存在する。米SECの現行ガイドラインでは、同社の公開株式の時価総額が7500万ドル(約110億2500万円)未満の場合、発行額が当初12ヶ月間で1067万ドル(約15億6800万円)に制限される可能性がある。
また、イーサリアムの価格変動リスクや、仮想通貨の評価に伴う会計の複雑性、デジタル金融分野での規制不確実性も課題だ。これらのリスク管理が、戦略の成功に向けた鍵となるだろう。
一方、FGFはイーサリアムの価格上昇に加え、ステーキング報酬やトークン化された現実資産(RWA)による機会にも注目している。
イーサリアムは今後、金融インフラとしての重要性をさらに高める可能性があり、この動向は同社の戦略にも直結する。
同社CEOはイーサリアムをデジタル金融の基盤と評価し、機関投資家向け財務管理の先駆者を目指す姿勢を示した。この戦略は今後のイーサリアム普及とデジタル金融規制の動向に大きく影響される見通しだ。