円連動ステーブルコインJPYCの口座数1万件に|発行額5億円突破

国内初となる日本円連動型ステーブルコインの発行・償還サービスであるJPYC EXの累計口座開設数は16日、1万件を突破した。
あわせて、累計発行額も5億円を超えたことが明らかになった。
JPYC、サービス開始から約1ヶ月半で急成長
JPYC株式会社は2025年8月に資金移動業者としての登録を完了し、同年10月27日にJPYC EXの提供を開始した。
今回の発表によると、サービス開始から約1ヶ月半という短期間で、口座開設数が1万件、発行額が5億3800万円に達した。
JPYCは、1JPYCが1円として取り扱われる日本円連動型のステーブルコインだ。
裏付け資産として日本円の預金や国債を確保しており、ユーザーは銀行振込を通じて日本円を入金することでJPYCの発行を受けられる。
また、手持ちのJPYCを指定のアドレスに送付することで、登録した銀行口座へ日本円として払い戻すことも可能だ。
資金移動業者が発行する電子決済手段として、法的な基盤を確立した上で運営されている点が特徴である。
ポリゴンチェーンが利用の過半数を占める
現在、JPYCはアバランチ(AVAX)、イーサリアム(ETH)、ポリゴン(POL)の3つのブロックチェーンネットワークに対応している。
発表されたデータによると、ネットワーク別の発行額ではポリゴンが約3億5500万 JPYCと最も多く、全体の過半数を占めている。
次いでアバランチが約1億5300万 JPYC、イーサリアムが7800万 JPYCとなっている。
この背景には、ポリゴンやアバランチが提供する取引手数料の安さや処理速度の速さが影響していると考えられる。
従来の銀行振込やクレジットカード決済と比較して、低コストかつ迅速な送金が可能である点が、ユーザーからの支持を集めている要因の一つだ。
特に少額決済や頻繁な送金が必要な場面において、これらのブロックチェーンの利点が活かされている。
マイナンバーカードによる厳格な本人確認
JPYC EXの普及を支えるもう一つの要素が、安全性への取り組みだ。同社は、マイナンバーカードのICチップを利用した公的個人認証サービスを導入している。
これにより、犯罪収益移転防止法に基づく厳格な本人確認を実施し、不正利用の防止に努めている。
特に2027年に予定されている同法の改正を見据え、取引時の本人確認をマイナンバーカードに一本化するなど、コンプライアンス体制を強化している。
AI技術や生体認証を活用した本人確認システムにより、ユーザーの手間を減らしつつ高いセキュリティを実現している点も評価されているようだ。
JPYC EXは、こうした体制のもとで、小売店での決済やイベントにおける少額決済、企業の給与支払いなど、複数のユースケースでの活用が想定されている。
国内ステーブルコイン市場において、法規制に準拠した運用を行う仮想通貨事業者としての立ち位置を明確にしており、JPYCは制度対応を重視するプレイヤーの一社として存在感を示している。