Lookonchain分析、BTC優勢もETHとSOLは苦戦

オンチェーン分析を行うLookonchainは10日、市場変動に伴う主要な機関投資家の損益状況に関するレポートを公開した。
今回のレポートでは、暗号資産(仮想通貨)市場の主要機関保有者の間で、パフォーマンスに大きな開きが生じていることが明らかになった。
特にビットコイン(BTC)を保有する企業と、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)等のアルトコインを保有する企業の間で明暗が分かれる結果となった。
市場のボラティリティが高まる中、各資産の価格推移が機関投資家のポートフォリオに直接的な影響を与えているようだ。
以下、具体的なデータを基に分析する。
ビットコインとアルトコインで広がる損益格差
レポートによると、機関投資家の「Strategy」は、ビットコインの相対的な堅調さから大きな恩恵を受けている。
同社は64万9,870BTCを保有し、平均取得価格は7万4,433ドルだ。
このポジションにより、同社は現在61億5,000万ドルの含み益を計上しており、評価益率は約12.72%のプラスとなっている。
一方、「Bitmine」は356万ETHを平均取得価格約4,010ドルで保有しており、現在は45億2,000万ドルの含み損を抱えている。評価損率は約31.67%に達した。
また、「Forward Industries」が保有する683万SOLも大幅な下落に見舞われている。
平均取得価格232.08ドルに対し、現在の評価額は大きく下落し、7億1,100万ドルの含み損を計上した。下落率は約44.85%に及ぶ。
機関投資家とクジラが示す異なる動き
市場の詳細を追うと、投資主体によって行動が大きく異なることが分かる。
ビットコインでは、155日以上保有する長期保有者が利益確定の売りを出している。これは強気相場の高値圏で見られる一般的なパターンだ。
一方、ソラナ市場では対照的な動きが確認されている。
機関投資家の一部が市場から撤退する中、大口投資家(クジラ)は保有量を増加させているという。
データでは、現在の価格帯でクジラの買いが強まり、機関投資家の売り圧力を吸収する形になっている。
また、ソラナのネットワーク指標も依然として強い。
月間アクティブアドレス数は前月比21%増の4,580万に到達し、基礎的価値(ファンダメンタルズ)の改善が続いている。
市場全体では、ヘッジファンドが分散型金融(DeFi)関連トークンへ資金を移す動きも見られ、セクター間で資金が循環している様子が浮かび上がった。
主体ごとに異なる戦略が取られており、市場の成熟度が増していることを示唆している。