米上場企業フォワード、ソラナ上で自社株をトークン化

米財務企業フォワード・インダストリーズ(FORD)は21日、自社株式をソラナ(SOL)ブロックチェーン上でトークン化する計画を明かした。
この動きは、金融テクノロジー企業Superstateとの提携を通じて実現される。
公式発表によると、フォワードはSuperstateのOpening Bellプラットフォームを通じて、ナスダックに上場する自社株をトークン化し、オンチェーンで直接発行する世界初の公開企業のひとつになる見通しだ。
ソラナを基盤としたバランスシート戦略
この発表に先立ち、フォワードは9月11日に1650億ドルのPIPE(上場企業による私募増資)を完了。この資金を活用して、同社は約680万SOLを取得し、企業のバランスシート基盤を完全にソラナへ移行する戦略を打ち出した。
取得価格は約1SOL=232ドルで、総取得額は約1580億ドルにのぼる。加えて、フォワードはDeFiプロトコルのDrift、Kamino、Jupiter Lendと連携し、トークン化株式を担保資産として統合する計画を進めている。
24時間365日取引・世界的流動性の拡大へ
フォワードはこの戦略を「オンチェーン・ファースト」と表現。株式のトークン化により、24時間365日の取引、即時決済、世界的な流動性の拡大を実現するとしている。
Multicoin Capitalの共同創業者であり、フォワード会長を務めるカイル・サマニ氏は、「ソラナを世界の資本市場の中核に据える試みだ」とコメントした。さらに同社はSuperstate社の株式も取得し、今後の製品開発におけるパートナーシップ強化を図る。
SECへの申請とさらなる資本調達
さらにフォワードは、米国証券取引委員会(SEC)に対して40億ドル規模のATM(at-the-market)株式発行を申請。これにより市場から柔軟かつ段階的に資本を調達し、ソラナ戦略を支援する体制を構築する。
暫定CEOのマイケル・プルイット氏は「我々のSOL中心のバランスシート戦略は、資本政策においても革新性と実用性を両立させるものだ」と述べている。
DeFiと伝統金融の融合が本格化
ソラナは第2四半期だけで89億件以上のトランザクションと、日次取引高で約40億ドルに達するなど、ブロックチェーンとして大きな成長を遂げている。
今回の動きは、トークン化された株式がDeFiで流通・担保化されることにより、伝統金融と分散型金融の融合が現実味を帯びてきたことを示している。
今後、ソラナの台頭と共に、企業財務戦略の中に仮想通貨を組み込むモデルがさらに加速する可能性がある。