イーサリアム財団、助成金プログラム刷新|応募制から指名制へ

イーサリアム財団は3日、エコシステム支援プログラム(ESP)の助成金制度を刷新すると明かした。従来の誰でも応募できる形式から、より的を絞ったアプローチへと移行する。
同財団の公式ブログによると、ESPは今後「ウィッシュリスト」と「提案依頼書(RFP)」の2つの経路を通じて助成金プログラムを運営する。
これは一時的に停止していた公募型助成金プログラムを見直し、イーサリアム(ETH)の成長に合わせた、より持続可能で影響力の高いモデルを目指すものだ。
このプログラムは、イーサリアムの基盤を強化し、将来の開発者を支援するプロジェクトに焦点を当てる。具体的には、オープンソースのツールやライブラリ、研究、コミュニティ構築、教育リソースなどが対象となる。
エコシステムの成長がもたらした変化
今回の制度変更の背景には、イーサリアムエコシステムの著しい成長がある。
世界中の開発者やコミュニティによって多様なツールやプロトコルが生まれ、ネットワーク全体が強化された。
一方で、応募件数の増加が、限られた人員で運営するESPの負担となっていた。
同財団は公式発表で、「少人数のチームと広範なスコープでは、増え続ける応募が我々のリソースを圧迫し、戦略的な機会を追求する能力を制限していた」と述べている。
これまでの公募型プログラムは多くのプロジェクトを成功に導いたが、効果を維持するためには進化が必要だと判断した。
この新しいモデルは、受動的な対応から能動的なアプローチへの戦略的転換を意味する。
開発者支援の新たな焦点
ESPはソフトウェア開発者や研究者、コミュニティ主催者など、あらゆる立場の人々からの取り組みを支援する。
しかし、支援の対象は主にエンドユーザーではなく、開発者を支援するものに限定される。
dAppsやフロントエンドのプラットフォームは通常、支援の対象外だ。
例外として、アプリケーションが研究や教育ツールとして機能する場合や、新しい標準のリファレンス実装である場合は支援対象となりうる。
また、金銭的支援だけでなく、プロジェクトへのフィードバックや専門家との連携といった非金銭的なリソースも提供する。
これにより分散型金融(DeFi)など、特定の分野におけるイノベーションがさらに加速することが期待される。
同財団は現在、イーサリアム財団の最新のエコシステム開発戦略に沿って、優先事項とアプローチを調整中だ。
改訂された戦略に関する追加情報は、2025年第4四半期に発表される予定だ。