大和証券、仮想通貨担保ローンを全国展開|BTCやETHに対応

大和証券は10月1日、Fintertech株式会社が提供するデジタルアセット担保ローンサービスの紹介を全国の本支店で開始した。
この提携により、大和証券は暗号資産(仮想通貨)を保有し、日本円での資金調達を希望する顧客をFintertechに紹介する仕組みとなる。実際のローンサービスはFintertechが顧客に直接提供する。
仮想通貨を売却せずに資金調達が可能に
Fintertechのローンサービスでは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を担保に日本円の融資を受けられる。
大和証券グループ傘下のFintertechは2020年から同サービスを提供しており、利用実績も積み重ねている。
融資額は500万円から最大5億円で、個人、法人、不動産購入者が対象。ただし個人向けの場合は貸金業法の総量規制により、年収の3分の1が上限となる。
このサービスは保有する仮想通貨を売却せずに流動性を確保できる選択肢であり、大和証券の全国的な支店網を通じて幅広い顧客層に届くことになる。
伝統金融とデジタル資産の融合が加速
今回の取り組みは、日本の伝統的な金融機関が仮想通貨を正当な担保として受け入れ始めていることを示す大きな動きだ。
大手証券会社が暗号資産担保ローンのサービス紹介を行うことで、仮想通貨が資産クラスとして社会的に認知される流れが加速する可能性がある。
ローン条件は、金利が個人向けで実質年率4.0%から8.0%、担保掛目はBTC、ETHともに50%。保証人は不要で、契約期間は1年。延長も可能だが期間中の元本一括返済も認められている。
返済方式は期日に元利を一括で支払う形で、契約更新時には利息のみの支払いが必要となる。さらに担保として預けた仮想通貨で直接返済できるオプションも用意されている。
大和証券の役割はあくまで顧客紹介に限定され、サービス説明や契約手続きはFintertech(フィンタ〜テック)が担当する。
大和証券はブロックチェーン技術を活用したセキュリティトークンの提供も進めており、デジタル資産分野への関与を多角的に展開している。