カナダの仮想通貨取引所、ユーザー資産14億円相当を横領か

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暗号資産ジャーナリスト
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カナダの証券当局は7日、仮想通貨取引所ezBtcとその創業者David Smillieが、顧客の資産約1300万カナダドル(約14億円)を横領し、賭博などに使用した疑いがあると発表した

ezBtcによる不正流用の実態

ezBtcは2016年から2019年にかけて運営されていた間、同社は顧客から2300以上のビットコイン(BTC)と600以上のイーサリアム(ETH)を預かっていた。

ezBtcは顧客資産を「コールドウォレット」と呼ばれる安全な保管方法で管理すると主張していた。コールドウォレットとは、インターネットに接続されていない安全な場所でデジタル資産を保管する方法だ。しかし実際には、大量の資金が不正に流用されていたことが明らかになった。

BCSCによると、935.46BTCと159ETHが、Smillieの個人口座やCloudBet、FortuneJackといったオンラインカジノサイトに送金されていた。これらの送金は、ezBtcから直接行われたケースと、Smillieの個人口座を経由して行われたケースがあったという。

カナダにおける仮想通貨規制の強化

この事件を受け、カナダ当局は仮想通貨業界に対する規制を強化する姿勢を示している。2023年、カナダ証券管理局(CSA)は仮想通貨企業に対し、投資家保護のための「事前登録約束」を義務付ける新ルールを導入した。

新ルールでは、仮想通貨企業に顧客資産の分別管理やコンプライアンス責任者の設置が求められている。また、レバレッジ取引やステーブルコインの取り扱いも禁止された。

これらの規制は、投資家保護を強化する一方で、業界の成長に影響を与える可能性もある。

一方で、Coinbaseなどのグローバルプラットフォームはこれらの規制に対応しつつ、カナダ市場での事業継続を表明している。大手企業の対応は、規制環境下での仮想通貨ビジネスの可能性を示唆している。

個人投資家への影響と対策

ezBtcの事件は、仮想通貨投資におけるリスクを改めて浮き彫りにした。個人投資家は以下の点に注意する必要がある。

  • 取引所の信頼性や規制遵守状況を確認する
  • 大量の資産を単一の取引所に預けることを避ける
  • 可能な限り自己管理ウォレットを利用する
  • 不自然に高い利回りを謳う案件には警戒する

カナダ反詐欺センター(CAFC)も、仮想通貨を狙った詐欺の増加に警鐘を鳴らしている。投資家は常に最新の情報を入手し、疑わしい取引や提案には慎重に対応することが求められる。

ezBtcの事件は、仮想通貨業界の信頼性向上と適切な規制の必要性を示す事例となった。今後、各国当局の対応や業界の自主規制の動向が注目される。 日本の投資家も、海外の仮想通貨取引所を利用する際は十分な注意が必要だろう。取引所の選択や資産管理の方法を慎重に検討し、リスク分散を心がけることが重要だ。

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