イーサリアム創設者、企業ETH保有急増で市場崩壊リスクと警告

イーサリアム(ETH)
仮想通貨ライター
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イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者は8日、企業のETH保有動向について、過剰なレバレッジがエコシステム全体の崩壊を招く可能性があると警鐘を鳴らした。

ポッドキャスト番組Banklessのインタビューに応じたブテリン氏は、企業が準備資産としてイーサリアムを保有する動きが、投資家へのアクセス提供という点で価値があるとする一方、行き過ぎたレバレッジはリスクを高めると指摘した。

企業のイーサリアム保有拡大と市場への影響

企業の準備資産としてイーサリアムを保有する動きが加速している。これは、マイクロストラテジー社などが牽引してきたビットコイン(BTC)の戦略と類似しており、特にイーサリアムが持つ多様なエコシステムが機関投資家の関心を引きつけている。

2025年半ば時点で、イーサリアムを準備資産として保有する市場規模は約1兆7,420億円に達し、急成長を遂げている。特にBitMine Immersion Technologies社は83万3,100ETHを保有し、この分野で最大の存在となっている。

ブテリン氏は、これらの企業が暗号資産(仮想通貨)を直接保有することが難しい投資家に対し、規制に準拠した形で投資機会を提供する「価値あるサービス」だと評価した。

規制整備が追い風も、過剰レバレッジに警鐘

このトレンドの背景には、ステーブルコインに関する連邦規制の枠組みを定めた「GENIUS法」の成立など、規制環境の明確化がある。

これにより機関投資家の信頼感が高まり、イーサリアムETFへの記録的な資金流入にもつながった。

しかし、ブテリン氏が最も懸念するのは、これらの仕組みにおける過剰なレバレッジのリスクだ。同氏は「ETHを保有する企業が過剰なレバレッジを行えば、アルトコイン市場の崩壊につながる可能性がある」と指摘した。

ブテリン氏は具体的な危険シナリオとして、「30%の下落が強制的な清算を引き起こし、それが50%、70%、90%の下落へと連鎖し、信用の失墜と相まってさらに事態を悪化させる」と述べ、市場の脆弱性を強調した。

ブテリン氏の警告は、イーサリアムが金融資産として成熟する過程で、機関投資家の参入という恩恵と、過剰なレバレッジがもたらすリスクとの間で、慎重なバランスを取る必要性を示唆している。

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