ビットワイズCIO、伝統的金融の仮想通貨への誤解を指摘

資産運用会社ビットワイズのマット・ホーガンCIOは30日、伝統的な金融機関が暗号資産(仮想通貨)の革新的な可能性を誤解していると指摘した。
ホーガン氏は、伝統的金融業界がビットコイン BTC 2.28%、ステーブルコイン、そして広範なデジタル資産エコシステムの真価を見誤っていると主張する。
同氏は、これらの技術が既存の金融システムを体系的に改善する力を持つと考えている。
過小評価されるビットコインの構造的需要
ホーガン氏は、伝統的金融が特に見誤っている点として、ビットコインの構造的な需要を挙げる。
ビットコインの年間供給量が約16万5000枚であるのに対し、2023年には現物ETFを通じた需要が50万枚を超えた。
この需要と供給の根本的な不均衡が、歴史的に見ても有利なリスク・リターン特性を生み出しているとホーガン氏は分析する。
同氏はこの供給制約と機関投資家の採用拡大を根拠に、2025年までにビットコイン価格が20万ドルに達するとの予測を維持している。
市場のサイクルに左右されがちな伝統的金融機関の関心とは対照的に、仮想通貨市場では長期的なインフラ整備が進んでおり、市場の成熟に向けた基盤が築かれつつある。
DeFiと伝統的金融の融合
ホーガン氏は、DeFiの進化についても言及した。初期のDeFiには課題があったものの、現在はDeFi2.0として伝統的金融と相乗効果を生み出す段階にあると述べる。
大手金融機関もブロックチェーン技術の活用に乗り出している。
具体的には、ブラックロックやフランクリン・テンプルトンがイーサリアム(ETH)基盤のマネー・マーケット・ファンドを立ち上げている点が挙げられる。
これは、伝統的金融が仮想通貨の実用性を認め始めた兆候と見ることができる。
また、ステーブルコインは伝統的金融と仮想通貨の世界をつなぐ重要な架け橋としての役割を担っている。
ホーガン氏は、市場の予測不可能性を考慮し、ビットコイン単体だけでなく、多様な仮想通貨資産へ目を向ける戦略が重要だと付け加えた。