ビットコインETF、過去2番目の資金流入額を記録

米国のビットコイン(BTC)上場投資信託(ETF)は31日、過去2番目となる8億9321万ドル(約1357億円)の資金流入を記録した。
この好調な結果は、市場環境の改善と政治的な要因が投資家心理を後押ししたとみられている。暗号資産(仮想通貨)市場への機関投資家の参入が加速している証左といえる。
ブラックロックのETFが過去最高の資金流入を達成
資産運用大手ブラックロックの上場投資信託(ETF)「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」には、1日当たりとしては過去最高となる8億7200万ドル(約1324億円)の資金が流入した。この額は3月12日に記録した従来の最高額を上回る。
他の運用会社のビットコインETFも堅調な資金流入を見せた。
フィデリティの「FBTC」には1257万ドル(約19.1億円)の新規投資があり、アーク・インベストと21シェアーズの「ARKB」、バンエックの「HODL」、インベスコの「BTCO」にもそれぞれ800万ドル(約12.1億円)未満の資金が流入した。
この日の取引総額は19億7000万ドル(約2992億円)に達している。
大統領選を控え投資家の関心高まる
市場関係者は11月5日に迫る米大統領選が、ビットコインETFへの投資を加速させる要因になっているとみている。政策変更への懸念から、投資家がリスクヘッジを求める動きが強まっているためだ。
ビットコインの価格は31日時点で7万2300ドル(約1098万円)付近で推移している。週初めに記録した史上最高値7万3500ドル(約1116万円)近辺を維持している。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定会合と大手テクノロジー企業の決算発表を控え、市場は更なる上昇の機会をうかがっている。
ETFの保有ビットコイン数が創設者を上回る可能性も
ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、米国のビットコインETFの保有するビットコイン数が100万BTCを超えたとの見方を示した。
Pretty apropos that the biggest daily inflow ever for $IBIT is what pushed the US spot ETFs over the 1 million bitcoin held mark.. https://t.co/6RuTzdacIs
— Eric Balchunas (@EricBalchunas) October 31, 2024
同氏は11月末までに、ビットコインの創設者であるサトシ・ナカモトが保有するとされる約110万BTCを上回る可能性があると予測している。
年初来の仮想通貨投資商品への資金流入額は270億ドル(約4.1兆円)に達し、2021年の記録の約3倍となっている。
一方、イーサリアム(ETH)のスポットETFへの資金流入は436万ドル(約6.6億円)にとどまった。取引高も2億2000万ドル(約334億円)と、市場の期待を下回る結果となっている。