ICEがMoonPay出資検討、評価額50億ドル規模へ

仮想通貨取引所
Sui DeFi Researcher / Scallop Ambassador
監修
最終更新日: 

ニューヨーク証券取引所の親会社であるICE取引所が、仮想通貨決済インフラを手がけるMoonPayへの出資を視野に入れた協議を進めていることが分かった。

評価額50億ドルを見込む資金調達協議

ブルームバーグの報道によると、ICEはMoonPayの新たな資金調達ラウンドへの参加を検討している。

今回の調達では、MoonPayの企業価値を約50億ドルと評価する方向で調整が行われているという。

これは、2021年に実施された前回ラウンドでの評価額34億ドルから大幅な増加となる。

MoonPayは2019年創業の企業で、法定通貨と仮想通貨を接続する決済・オンランプのインフラを提供している。

また、ウォレット事業者や取引所、企業向けにサービスを展開している。

もっとも、現時点で協議は非拘束的な段階にあり、条件変更や交渉中止となる可能性も残されている。

規制順守を重視するICEの狙い

今回の出資検討の背景には、MoonPayが規制対応を着実に進めてきた点がある。

同社は最近、ニューヨーク州金融サービス局から信託憲章およびビットライセンスを取得し、仮想通貨のカストディ業務を含むサービス拡張が可能となった。

また、米商品先物取引委員会での勤務経験を持つキャロライン・ファム氏を最高法務・総務責任者に迎えるなど、コンプライアンス体制の強化にも注力する。

こうした姿勢が、伝統的金融インフラを担うICEにとって信頼できるパートナーと映っているようだ。

ICE自身もデジタル資産分野への関与を強めており、2024年には予測市場プラットフォームPolymarketへの大型出資を行うなど、関連投資を拡大している。

再び活気づく仮想通貨投資環境

市場全体に目を向けると、2025年は仮想通貨およびブロックチェーン関連企業への投資が再び活発化している。

データによれば、ベンチャーキャピタルによる同分野への投資額は約190億ドルに達し、2022年以来の高水準を記録した。

ビットコイン(BTC)を中心とした市場回復や、規制環境の明確化が投資家心理を押し上げているとみられる。

リップルなどの大型調達案件も相次いでおり、資金の流入が目立つ。

ICEによるMoonPayへの出資検討は、伝統的金融と暗号資産業界の距離が縮まっていることを象徴する動きといえる。

一方で、市場の変動性や規制動向といった不確実性も残されており、慎重な見極めが引き続き求められる局面だ。

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