USDC発行元サークル、新ブロックチェーンArcのテスト版公開

ステーブルコイン ブロックチェーン
暗号資産ジャーナリスト
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ステーブルコインUSDCの発行元であるサークル社は28日、決済に特化したブロックチェーンArcのパブリックテストネットを公開した。

Arcは、米ドル建ての手数料、1秒未満の決済速度、選択可能なプライバシー管理機能を特徴としている。

サークル社は今後、Arcのバリデーター参加やガバナンスをコミュニティに開放し、段階的に分散化を進める計画だ。

大手金融機関が参加するテストネット

サークル社は、時価総額760億ドルのステーブルコインUSDCを手がける企業で、今回公開したArcを「インターネット時代の経済OS」と位置付けている。

同プロジェクトには、BlackRock、Visa、HSBC、AWS、Anthropicといった100を超える世界の金融機関、資産運用会社、テクノロジー企業が参加している。

参加企業全体で管理する資産は数兆ドル規模に上り、その活動は米州、アジア、欧州、アフリカ、中東など世界中に及ぶ。

Arcの主な特徴は、機関投資家の利用を最適化するための1秒未満の決済速度と、米ドル建ての取引手数料だ。

また、規制要件を遵守するためのプライバシー管理機能も提供し、必要に応じて透明性を確保できる設計となっている。

さらに、法定通貨に裏付けられたステーブルコインや、債券・ファンドなどの現実世界資産(RWA)のトークン化にも対応する。

市場拡大と戦略的パートナーシップ

ステーブルコインによる決済額は、2025年に入ってから現在までに194億ドルに達し、市場規模は2030年までに4兆ドルに達すると予測されている。

また、トークン化資産(RWA)の市場も、従来型金融の効率化需要に後押しされ、2033年までに19兆ドルへ成長する見込みだ。

この成長市場を背景に、ArcのテストネットにはオーストラリアのForte AUDやブラジルのAveniaなど、各国の通貨発行体も参加している。

これらのステーブルコインは、将来的には主要な仮想通貨取引所で広く利用される可能性がある。

ステーブルコインを基盤とした手数料体系や、資産間の流動性確保について検証を進める。

技術面では、AWSやAI企業Anthropicとの連携により、スケーラビリティの向上とブロックチェーン上でのアプリケーション開発を強化する。

Circleは将来的に、ステーブルコインの相互運用性や為替流動性の向上、クロスチェーンでの資産移転といった機能強化を計画しており、Arcをインターネットネイティブな金融ハブとして確立することを目指している。

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