「BTCなどの仮想通貨が魅力的な代替資産に」レイ・ダリオ氏

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ創業者は3日、法定通貨への信頼低下を背景に、暗号資産(仮想通貨)が魅力的な代替通貨としての地位を高めていると指摘した。
ダリオ氏は「暗号資産は供給が限られた代替通貨だ。他の条件が同じであれば、ドルの供給量増加や需要減少に伴い、暗号資産がより魅力的な選択肢となる可能性が高い」と説明。
さらに、ドルを含む主要な準備通貨国が抱える深刻な債務問題が、通貨としての信頼性を損なっているとし、それが金や仮想通貨の価格上昇を後押ししているとの見解を示した。
巨額債務が法定通貨の信頼を揺るがす
ダリオ氏は、法定通貨の信頼低下の背景に米国の深刻な財政状況があると指摘した。
米国は歳出が7兆ドルに対し歳入は5兆ドルにとどまり、約2兆ドルの財政赤字を抱える。このため、約12兆ドル規模の新規国債発行が必要と見られている。
同氏はこの状況を「後期サイクルの仕組み」と表現し、米国をはじめとする主要準備通貨国の巨額債務が、通貨の価値保存機能への信頼を損なっていると警鐘を鳴らした。
また、問題の本質は規制緩和ではなく、財政的な過剰にあると強調している。
さらに、「ほとんどの法定通貨、特に巨額の債務を抱える国の通貨は、有効な価値保存手段とはなりにくく、堅固な通貨に対して価値を失っていくだろう」と語った。
実際、金価格は今年33%上昇し、1オンスあたり3600ドルと過去最高を更新。仮想通貨と同様、この動きの背景にも債務懸念があると分析されている。
ビットコインとステーブルコインへの見解
ダリオ氏は、ビットコイン(BTC)がドルに完全に取って代わる世界的な準備通貨になることはないとの見方を示した。一方で、発行上限が2100万枚に固定されているビットコインは有効な価値保存手段として評価できると述べている。
ステーブルコインについては、米国債に連動する構造そのものにリスクがあるとし、否定的な姿勢を示した。
規制によってシステミックリスクを軽減することは可能としつつも、真の懸念は米国債の実質的な購買力の低下にあり、規制の有無にかかわらず脆弱性が残ると警告している。
注目されるのは、ダリオ氏自身がビットコインを保有していると公表し、ポートフォリオの最大15%を金またはビットコインに割り当てることを推奨している点だ。
同氏は現在の金融環境を大きなサイクルの一部と位置づけ、債務の増大や政治的分断、気候変動、AIの発展が相互に作用し、今後5年間で想像を超える変化を引き起こす可能性を示唆した。
そのうえで、仮想通貨そのものがドルの準備通貨としての地位を直接脅かしているわけではなく、真に注視すべきリスクは各国の債務問題にあるとの結論を示している。