米ストライプ、決済特化ブロックチェーン「Tempo」開発か

米決済大手のストライプは11日、暗号資産(仮想通貨)VCのパラダイムと提携し、新たなブロックチェーンTempoを開発していることが明らかになった。
Fortune誌の報道によると、企業価値915億ドルを誇るストライプは、決済処理に特化した高性能なレイヤー1ブロックチェーンとしてTempoを構築。
このプロジェクトは現在5人のコアチームによってステルスモードで開発が進められており、ストライプのマット・フアン取締役がTempoのCEOに就任予定となっている。
企業決済の変革を目指すTempoの特徴
Tempoはイーサリアム(ETH)のプログラミング言語Solidityとの互換性を持つレイヤー1ブロックチェーンとして設計されている。
これにより、イーサリアムエコシステムに精通した開発者が容易に参入でき、既存のスマートコントラクトアプリケーションの移植も可能となる。
8月3日に掲載された求人情報では、フォーチュン500企業へのマーケティング経験を持つ人材を求めていたことから、大企業向けの決済ソリューションに重点を置いていることが窺える。
従来のSWIFTのような銀行インフラが抱える送金遅延や高額手数料の問題を、ブロックチェーン技術で解決することが狙いとなっている。
このプロジェクトは、Bridgeの11億ドルでの買収や、Privy買収など、ストライプの新しい仮想通貨の戦略と連動している。
これらの買収により、同社はステーブルコイン発行から取引処理まで垂直統合型の決済エコシステム構築を進めている。
競争激化する決済ブロックチェーン分野への参入
ストライプのブロックチェーン開発は、決済業界における競争激化を反映している。
サークルがArcブロックチェーンを発表し、テザーがStableチェーンを支援するなど、主要プレイヤーが独自のブロックチェーンインフラ構築に乗り出している。
パラダイムのフアンCEOがストライプでの役職を兼務することは、ベンチャーキャピタル業界では異例の動きとなる。
7月のGENIUS Act法案成立により、米国ではステーブルコインの規制環境が整備されつつあり、これがストライプの戦略的タイミングを後押ししている。
Tempoが独自のアルトコインを発行するかは現時点で不明だが、決済インフラとしての機能に特化した設計となる見込みである。