バイナンス創業者CZ氏に恩赦か、ホワイトハウスが検討|報道

ホワイトハウスが10日、仮想通貨取引所バイナンスの創業者CZ氏に対する大統領恩赦の可能性を検討していると報じられた。
CZ氏は2023年、マネーロンダリング防止対策の不備により米国の銀行秘密法違反で有罪を認め、5000万ドルの罰金支払いとCEO辞任後、2024年4月から4カ月間服役した。
バイナンスも43億ドル(約6579億円)の企業罰金を支払っている。
恩赦が実現すれば重罪記録が抹消され、筆頭株主として残る同氏の米国事業関与が可能となり、仮想通貨に友好的な政策転換のシグナルとなり得る。
恩赦を巡る政治的思惑と内部対立
今回の恩赦検討の背景には、トランプ大統領顧問らによる政治的な判断があるとみられている。
顧問らは、この事件がバイデン前政権による仮想通貨業界への過度な取り締まりを反映したものであり、政治的動機に基づいていると主張している。
恩赦は、イノベーションを促進し、ブロックチェーン関連企業を米国に誘致するというトランプ政権の親仮想通貨姿勢を明確に示す動きとなるだろう。
このような期待感は、代表的な仮想通貨であるビットコイン(BTC)の価格動向にも影響を与える可能性がある。
一方で、ホワイトハウス内部では意見が分かれている。
一部の顧問は、この事件を法執行における画期的な成功と見なす規制当局からの強い反発を懸念している。
また、ガザやウクライナでの紛争、米中間の貿易摩擦といった他の国際的な優先課題が、最終的な決定を遅らせる可能性も指摘されている。
市場とCZ氏の将来への影響
恩赦に関する憶測は市場に影響を与え始めており、予測市場のカルシなどでは関連する賭けの活動が活発化している。
しかし、恩赦がCZ氏の完全な復帰を意味するわけではない。
同氏の司法取引には、バイナンスでの経営幹部職から永久に退くという条項が含まれており、これは恩赦だけでは覆せない。
ただし、顧問や戦略的ポジションといった形での公式な復帰への道を開く可能性はある。
この恩赦問題とは別に、トランプ大統領が提案している中国製品への100%関税案も、最近の仮想通貨市場の変動要因の一つとなっている。
関係者によると、恩赦に関する決定は年内に下される可能性があるものの、大統領による恩赦の決定プロセスは遅延することも多く、先行きは不透明なままだ。
この問題はCZ氏個人だけでなく、バイナンス取引所のネイティブトークンであるバイナンスコイン(BNB)の将来性にも関わるため、投資家からの注目が集まっている。