米仮想通貨市場構造法案の立法が停滞|住宅政策優先で先送りか

米国の暗号資産(仮想通貨)規制はこのほど、立法プロセスが停滞していることが明らかになった。
米上院銀行委員会は市場構造法案の審議を無期限で延期すると発表。
さらに、ブルームバーグは上院全体の優先事項が住宅政策に移ったことから、審議再開は早くとも2月下旬から3月にずれ込む可能性があると報じている。
規制の中核と位置付けられてきた同法案の停滞は、制度整備の見通しを不透明にし、市場の警戒感を一段と高める要因となっている。
上院銀行委、仮想通貨市場構造法案を無期限延期
上院銀行委員会は仮想通貨市場構造法案の審議を無期限で延期すると正式に発表した。ティム・スコット委員長は、超党派による交渉が継続していることを理由に挙げている。
同法案はデジタル資産明確化法(CLARITY法)と呼ばれ、米国における仮想通貨規制の枠組みを定める中核的な立法と位置付けられてきた。
委員会は当初、修正案の議論を経て本会議での採決に進む予定だったが、調整は難航していた。
業界関係者の間では、大手仮想通貨取引所コインベースが法案への支持を撤回したことが、延期の決定打になったとの見方が強い。
同社は審議直前の重要な局面で、現行の法案内容に反対する姿勢を公にしていた。
コインベースの反発と政策優先順位の変化、審議は数週間遅延へ
延期の背景には、業界と金融界の利害対立がある。
コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、ステーブルコインの報酬を禁止する修正案を問題視し、銀行が競争を排除できる内容になりかねないと懸念を表明。
また、商品先物取引委員会(CFTC)の権限が弱体化する可能性も指摘した。
一方、伝統的な銀行業界は、預金が利回りのある仮想通貨商品へ流出することを警戒し、規制強化を求めてロビー活動を展開。
こうした対立の結果、法案には100を超える修正案が提出され、調整は一層複雑化していた。
ブルームバーグの報道よれば、上院銀行委員会は現在、ドナルド・トランプ氏が支持する住宅政策に審議の重点を移しており、仮想通貨法案の再検討は2月下旬から3月にずれ込む可能性があるという。
ただし、上院農業委員会は1月27日に独自のデジタル資産法案の採決を予定しており、その後、両法案を統合した上で上院本会議に付される見通しだ。
2026年11月の中間選挙を控え、有権者向けの政策が優先される中、複雑な仮想通貨規制は後回しにされる傾向が強まっている。
ホワイトハウスのデジタル資産評議会は交渉継続を呼びかけているものの、進展がなければ次期議会への持ち越しも現実味を帯びており、市場では規制の先行きを巡る警戒感が続いている。