ソニー銀行、米国でステーブルコイン発行へ|2026年度目指す

ソニーフィナンシャルグループ傘下のソニー銀行はこのほど、米国通貨監督庁(OCC)に対し、国法信託銀行の設立を正式に申請した。
子会社「Connectia Trust」を通じ、米ドル連動型のステーブルコイン発行を目指す動き。
承認されれば連邦規制下でステーブルコインを発行する初の大手テクノロジー企業となる。
米国でのステーブルコイン発行計画
申請書類によると、Connectia Trustは米ドルにペッグしたステーブルコインの発行、準備資産の管理、デジタル資産のカストディサービスを提供する計画だ。
準備資産は現金または米国債で裏付けられる予定で、2025年7月に成立したGENIUS法の要件に準拠する。
同法はアルトコインの一種であるステーブルコイン発行者に対し、100%の資産裏付けと銀行免許取得を義務付けている。
ソニー銀行の申請は、コインベース、サークル、ストライプ、リップルなど、OCC認可待ちの企業と肩を並べる形となった。
現時点で完全なOCC認可を取得した仮想通貨ネイティブ企業はAnchorage Digital Bankのみ。
ソニーのWeb3戦略との連携
今回の申請は、ソニーグループの広範なWeb3戦略と連動している。
2025年1月には、将来性が高いイーサリアム(ETH)のレイヤー2ネットワーク「Soneium」のメインネットを正式ローンチ。
テストネット期間中に1500万以上のユーザーと4700万件超のトランザクションを記録した。
発行されるステーブルコインは、プレイステーションやソニーミュージックなどを含む「ソニー経済圏」での決済手段として活用される見込みだ。
銀行業界からの反発も
一方、米独立コミュニティ銀行協会(ICBA)は11月、ソニー銀行の申請に対する反対意見をOCCに提出した。
ステーブルコインが実質的に預金と同等の機能を持つにもかかわらず、FDIC保険や地域再投資法(CRA)の適用を回避する構造であると主張している。
ステーブルコイン市場の時価総額は現在約3050億ドル規模に達しており、ソニーの参入は規制された大手テクノロジー企業による市場参入の先例となる可能性がある。
OCCによる審査の行方が注目される。