パキスタン、仮想通貨市場を解放|ライセンス申請を呼びかけ

パキスタン仮想資産規制庁(PVARA)は14日、関心表明(EoI)の募集を正式に開始した。
これは、国内のデジタル経済圏での事業運営を希望する世界の主要な暗号資産(仮想通貨)交換業者や仮想資産サービスプロバイダー(VASP)を対象とするものだ。
急成長する市場の法制化へ
PVARAは、7月8日に公布された仮想資産条例に基づき設立された。
その役割は、FATFやIMF、世界銀行が定める国際基準に準拠し、仮想通貨の法制化と規制を担うことだ。
財務省の声明によると、パキスタンの仮想通貨市場はすでに4000万人以上の利用者を抱え、年間取引高は3000億ドルを超えると推定されている。
世界最大級の未開拓デジタル資産市場の一つと位置付けられている。
PVARAのビラル・ビン・サキブ議長は、「このEoIは、パキスタンの透明で包括的なデジタル金融の未来を築くパートナーとして、世界の主要なVASPを招待するものだ」と述べた。
同条例はPVARAにVASPのライセンス付与、規制、監督の権限を与え、強力なマネーロンダリング対策やCFT、サイバーセキュリティの枠組みを確保する。
パキスタンはブロックチェーン分析企業チェイナリシスの2025年世界仮想通貨導入指数で6つ順位を上げて3位に浮上した。
2025年に最も急成長した仮想通貨市場の一つとして注目されている。
国際基準とイノベーションの両立
今回の規制導入は、禁止措置や規制当局が存在しない状況下でも仮想通貨の導入率が世界3位に達するなど、パキスタン国内での著しい自律的な成長が背景にある。
FATFが提起した懸念への対応も、枠組み設計の重要な要素となっている。
PVARAは、パキスタン国立銀行総裁や証券取引委員会委員長などが理事会に参加する、独立した連邦機関として運営される。
政府は5月、国のビットコイン(BTC)準備金の創設や、余剰電力2ギガワットを仮想通貨マイニングおよびAIデータセンターに割り当てる計画を発表していた。
これらの動きに対し、IMFは国内の慢性的な電力不足を背景に、法整備やエネルギーの再配分に関する緊急の説明を求めていた経緯がある。
新たな規制枠組みは、コンプライアンス要件とイノベーションの機会の均衡を図り、特にフィンテック開発、送金プロセスの改善、トークン化資産に焦点を当てている。
この動きは、将来的にDeFiのような新たな金融サービスの発展を促進する可能性も秘めている。
厳格なライセンス要件と今後の展望
PVARAはライセンス申請者に対して厳格な適格基準を設定した。
参加は、米SEC、FCA、EUのVASP枠組み、UAEのVARA、MASなど、認知された世界の規制当局からすでにライセンスを取得している企業に限定される。
パキスタン市場への参入に関心を持つ企業は、詳細な文書を提出する必要がある。
提出書類には、企業概要、既存ライセンスと管轄区域、提案サービス、技術・セキュリティ基準を含めなければならない。
さらに、運用資産、収益情報、コンプライアンス履歴、そしてパキスタンに特化した事業モデルについても記載が求められる。
この取り組みは、以前の制限的なアプローチからの大きな政策転換を意味する。
政府関係者は、規制の不確実性にもかかわらず市場が大幅に発展したことを認め、国民の間で広がる仮想通貨の利用を正式に受け入れる形となった。