TONストラテジー、ナスダックから警告|株価19%下落

トンコイン(TON) 中心の財務戦略を推進するTONストラテジーはこのほど、ナスダックの上場適格性部門から上場規則違反に関する正式な通知を受け取ったことが明らかとなった。
同社が米証券取引委員会(SEC)に提出したフォーム8-Kによると、この違反は2025年8月7日に完了したPIPE(上場企業による私募)ファイナンスに起因する。
TONストラテジーの株価(TONX)は、発表後1週間で19%下落し、5.56ドルで取引されている。
株主承認を巡る規則違反
ナスダックは、この取引における2つの点で株主承認が得られていなかったと指摘している。
一つ目は、子会社がPIPEによる調達資金の約48.78%に相当する約2億7,270万ドル相当の暗号資産(仮想通貨)TONを購入する契約についてだ。
二つ目は、このPIPEファイナンスにより、新たに就任した執行会長の関係事業体が同社の発行済み普通株式と議決権の約19.99%を取得し、規則が定める支配権の変更に該当した点である。
この取引は、TON財団の元代表であるマヌエル・ストッツ氏を執行会長に迎えるなど、経営陣の大幅な変更も伴った。
同社はVerb Technology CompanyからTONストラテジーへと社名を変更し、テレグラムのエコシステム内でTONを蓄積するデジタル資産管理企業への戦略的転換を進めている。
市場への影響とナスダックの判断
ナスダックは今回、上場廃止手続きではなく警告書簡を発行した。違反は「意図的ではないように見受けられ、同社がコンプライアンス違反のパターンを示していない」ことを理由に挙げている。
これにより、本件は終結したものと見なされている。
ただし、TONストラテジーは今後規則を遵守するための計画を45日以内にナスダックへ提出する必要がある。
同社の株式は、他の上場要件を満たす限り、ナスダックでの取引を継続する。
同社は、取引当時に外部の法律顧問の助言に基づき、株主承認は不要と判断していたと主張している。
アナリストは、この問題を「根本的なものではなく、手続き上のもの」と見ており、TONやTONブロックチェーンの正当性を問うものではないと指摘する。