Morpho、日本円ステーブルコインJPYCのレンディング市場開設

分散型金融(DeFi)レンディングプロトコルのMorphoは28日、日本円に連動したステーブルコインJPYCのレンディング市場を正式に開始した。
この新たな市場はポリゴン(POL)チェーン上で提供される。米ドルおよびユーロ以外のステーブルコインでレンディング市場が開設されるのは今回が初めてとなる。
JPYCの貸付・借入に対応
JPYCは担保資産としてだけでなく、貸出資産としても利用可能となった。
ユーザーはUSDC、ラップドイーサリアム(WETH)、ラップドビットコイン(WBTC)などの暗号資産(仮想通貨)を担保として預け入れることで、JPYCを借り入れることができる。
一方で、JPYCを市場に供給する貸し手は、利息を得ることが可能だ。
JPYCを発行するJPYC社によると、同コインは日本円と1対1で担保され、銀行預金や国債によって裏付けられており、高い信頼性を有している。
アジア市場への拡大戦略
今回の市場開設は、Morphoが以前から掲げていた戦略的な方向性と合致している。
同プロジェクトは2025年10月の市場低迷からの回復計画において、2026年第1四半期にJPYCのレンディング市場を立ち上げ、日本における機関投資家の資本を取り込むことを主要な成長イニシアチブとして位置付けていた。
この実装には、Morphoの特徴である「モジュラーリスクモデル」と「リスク分離モデル」が活用されている。これにより、各保管庫(ボールト)が独自の引受ルールで運用されることが可能となる。
この仕組みは、過去の市場が不安定だった局面において、損失を限定的な範囲に留める上で重要な役割を果たした実績がある。
機関投資家の採用と市場背景
JPYC市場の立ち上げには、DeFiエコシステムにおける複数の戦略的要因が影響している。
特に機関投資家による採用が主な推進力となっており、Morphoはソシエテ・ジェネラルのような規制された銀行や、PayPalといったフィンテック企業との統合を進めてきた。
公式発表では、ステーブルコインが決済にもたらした変革と同様に、ボールトが金融において資産運用会社をオンチェーンに持ち込み、資産の生産性を高める役割を果たすとしている。
また、日本の規制環境の整備も今回の立ち上げに有利な条件を作り出した。
JPYCの構造が機関投資家の求める信頼性基準を満たしていることが背景にある。
2025年10月の市場変動後、DeFiレンディングセクターは安定化し、市場規模は約916億ドルに達した。
技術的な実装はPAO TECHとの提携により促進。これにより、JPYCはMorphoの50億ドル規模のレンディングネットワークに統合され、ユーザーはJPYCの貸借に加え、利回りを得るためのボールト作成や固定金利商品の利用が可能となる。
今回の動きは、国別のステーブルコインがDeFiに参入する広範なトレンドの一部でもあり、MorphoのV2アップグレードによる技術的基盤の上に成り立っている。