イーサリアム、AI向け新規格ERC-8004導入|グーグルなど協力

イーサリアム(ETH)の公式Xアカウントは28日、AIエージェント向けの新たな規格「ERC-8004」をメインネットに導入すると明かした。
この規格は、自律的なAIエージェントが中央集権的なプラットフォームに依存せず、身元や評判を証明できる仕組みを提供するものだ。
イーサリアム財団によると、ERC-8004はAIエージェントが異なる組織やアプリケーションを跨いで活動できるようにするための共通フレームワーク。
これにより、AIエージェントは特定の企業やサービスに縛られることなく、自身の「信用」を携えて活動場所を移動できるようになる。
AIエージェントのための「USB規格」
ERC-8004は、コンピューター周辺機器の接続ルールを定めたUSBのような役割を果たす。
AIエージェントがブロックチェーン上でどのように通信し、相互作用するかを定めたガイドラインだ。
これにより、開発者は個別に複雑な調整を行うことなく、標準化された方法でAIエージェントを連携させることが可能になる。
具体的には、ブロックチェーン上に3つの主要な登録簿を作成する。
1つ目は「IDレジストリ」で、各エージェントに持ち運び可能な身分証を付与する。これはNFTの技術と互換性があり、検閲耐性を持つ。
2つ目は「評判レジストリ」で、利用者のフィードバックを記録し、デジタルアシスタントとしての評価を可視化する。
3つ目の「検証レジストリ」は、エージェントの行動に対する監査結果を記録するものだ。これらの仕組みにより、AIエージェントがどのプラットフォームで活動していても、その信頼性を第三者が確認できるようになる。
計算処理の多くはオフチェーン(ブロックチェーンの外)で行われるため、コスト効率も維持される設計となっている。
大手テック企業も参画
2026年に入り、AIエージェントは実験段階から実社会での応用へと移行しつつある。決済やデータアクセス、自動的な意思決定を行うシステムが増加する中で、人間同士の信頼モデルでは対応しきれない場面が出てきた。
イーサリアムの開発者らは、ブロックチェーンをAIのための「中立的な信頼の層」として機能させることで、この課題を解決しようとしている。
この動きは、イーサリアムの2026年の戦略ロードマップにも組み込まれている。
イーサリアム財団は「dAI」と呼ばれる専門チームを結成し、グーグルやコインベース、メタマスクといった大手テクノロジー企業や暗号資産(仮想通貨)関連企業と協力して実装の準備を進めてきた。
メタマスクのマルコ・デ・ロッシAI部門責任者は、メインネットへの導入が早ければ1月29日にも行われる可能性について言及している。
また、イーサリアムのAI部門を率いるダビデ・クラピス氏は、「イーサリアムは人工知能間の相互作用に対し、セキュリティと決済を提供する独自の地位にある」と強調した。