仮想通貨運用商品から17億ドル流出、米国主導で売り強まる

暗号資産(仮想通貨)関連商品からの純流出額は、23日までの1週間において、合計17億3000万ドルに達した。これは2025年11月中旬以来、最大規模の資金流出となる。
米国市場を中心とした大規模な仮想通貨資金流出
地域別に見ると、仮想通貨市場では米国を中心とした大規模な資金流出が際立った。レポートによれば、米国市場からは約18億ドルの資金が流出したという。
世界全体の純流出額を米国単独での流出額が上回っている点については、データ集計時の端数処理や報告基準の違いによる影響とみられている。
一方、すべての地域で売りが優勢だったわけではない。スイスでは3250万ドル、ドイツでは1910万ドル、カナダでは3350万ドルの純流入がそれぞれ確認された。
米国のアセットマネージャーが仮想通貨関連商品から資金を引き揚げる動きを強める一方で、欧州やカナダの市場参加者は足元の価格調整局面を「買いの好機」と捉えている可能性がある。
地域ごとに仮想通貨市場に対する投資家心理の違いが鮮明になった形だ。
ビットコインが売られる一方でソラナは人気継続

銘柄別の資金動向を見ると、時価総額の大きい主要仮想通貨を中心に売りが優勢となった。
ビットコイン(BTC)関連商品からは10億9000万ドルの資金が流出し、単週としては2025年11月中旬以来、最大規模の売り越しを記録した。
イーサリアム(ETH)も軟調で、6億3000万ドルの純流出となったほか、リップル(XRP)関連商品も1820万ドルの資金流出が確認された。
こうした全体的な売り圧力が強まる中で、主要アルトコインの一つであるソラナ(SOL)は市場の流れに逆行する動きを見せた。
ソラナ関連商品には1710万ドルの純流入があり、調整局面においても根強い投資家需要がうかがえる。
このほか、バイナンス関連商品には460万ドル、チェーンリンク(LINK)には380万ドルの資金流入が記録された。
また、ビットコイン価格の下落を見込んで利益獲得を狙うショート・ビットコイン商品にも約50万ドルの小規模な流入があり、一部の市場参加者がさらなる下落リスクに備えている様子が浮き彫りとなった。
金融政策への懸念と市場心理の悪化
今回の大規模な資金流出の背景には、複数のマクロ要因が重なっていると分析されている。
主な要因として、政策金利引き下げに対する期待の後退、価格上昇モメンタムの鈍化、さらにはデジタル資産がインフレヘッジとして十分な役割を果たしていないとの見方が広がっている点が挙げられる。
仮想通貨市場のセンチメントは、2025年10月の急落以降も本格的な回復には至っておらず、足元の価格下落に対して投資家が敏感に反応しやすい状況が続いている。
今回の資金流出は、その前週に記録された21億7000万ドルという大規模な資金流入から一転する形となった。
前週は2025年10月以来で最大の流入を記録していただけに、わずか1週間で資金フローが逆回転したことは、現在の仮想通貨市場が依然として不安定であり、マクロ経済のシグナルに強く左右されやすい局面にあることを示している。